新潟水俣病:認定申請棄却の6人が提訴
毎日新聞 2013年12月03日 21時55分
新潟市に水俣病の認定申請を棄却された6人が3日、棄却処分取り消しと患者認定を求める行政訴訟を新潟地裁に起こした。4月の最高裁判決が、単一の症状でも認定できる余地があるとの判断を示したことを受けた提訴で、新潟水俣病を巡り処分取り消しなどを求める訴訟は初めて。
原告は同市在住の40〜50代の男女5人と故人1人で、2007〜13年に認定申請を棄却されている。訴状によると、国の認定基準は複数の症状の組み合わせを要件とするが、最高裁判決は魚介類を介した水銀摂取が明確であれば一つの症状でも認定できるとしており「市の処分が違法であることは明らか」と主張している。
市は「訴状が届いておらずコメントは控えたい」としている。
原告側によると、認定申請の棄却を巡っては、新潟県を相手取った訴訟も検討しており、原告は計十数人になる見通し。同県では、国の基準で水俣病と認められない被害者に、一時金として210万円を支給する水俣病被害者救済特別措置法(09年施行)の申請者が2108人おり、今後、同様の訴訟が相次ぐ可能性がある。【塚本恒】