規制委員長:汚染水「まず除染を」…敷地舗装案に注文
毎日新聞 2013年12月04日 20時11分(最終更新 12月04日 21時28分)
東京電力福島第1原発の汚染水問題で、原子力規制委員会の田中俊一委員長は4日の定例会で、敷地内の舗装によって雨水の浸透を防ぐ案が経済産業省で検討されていることについて、「放射線はコンクリートの舗装ぐらいでは減らない。作業環境の改善のためまず除染する必要がある」と語った。経産省の汚染水対策には、規制委事務局の原子力規制庁も関与しているため、田中委員長は対策の見直しを指示した。
経産省の汚染水処理対策委員会が3日まとめた報告書案では、舗装の効果で、地下に浸透する雨水が減少すると指摘。この結果、原子炉建屋へ流入する地下水(1日約400トン)を3分の1程度に減らせるとした。また、凍土遮水壁など他の対策を組み合わせることで、10分の1程度になると試算した。
田中委員長は定例会で、敷地内の放射線量が依然高いことを念頭に、「(廃炉作業は)10年、20年と続く。汚染水だけを減らせばいいというものではない」と主張。その後の記者会見で「除染前に舗装すれば、被ばくを減らすことができなくなる。トータルでリスクをどう下げることができるのか考えるべきだ」と強調した。【中西拓司】