「通話料半額」は本当なのか?楽天でんわを使ってわかった落とし穴
酒井 一樹 | 株式会社エイリスト 就活SWOT代表
楽天より「通話料が半額になる」という触れ込みの電話サービスがリリースされました。
楽天子会社の通信会社フュージョン・コミュニケーションズは5日、スマートフォン(高機能携帯電話)の通話料金が現行の半分の30秒で10.5円となる通話サービス「楽天でんわ」を始めたと発表
050plusなどのサービスとは異なり、普段使っている電話番号が相手に通知されるとのこと。
楽天でんわは、フュージョンの電話回線を経由し、携帯事業者の回線に転送することで通話ができる。つまりドコモユーザーはドコモの回線、auユーザーはKDDIの回線で通話ができるので、パケット通信を利用するVoIPアプリよりも通話品質の面で安心できる。もちろん、携帯電話以外の固定電話にもかけられる。 発信時には「0037-68」のプレフィックスが付加されるが、着信先には自分の電話番号のみが表示されるので、「専用アプリを用いること」以外の使い勝手は変わらない。ただし海外への通話と、海外からの通話はできないようになっている。 電話回線はNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・アクセス、ウィルコムの5社すべてが対象となり、フュージョンが各キャリアに接続料を支払うことでサービスが成り立っている。
「これは非常に良いサービスなのでは?」と思って早速使ってみたのですが、詳しく見てみると何点か問題があることがわかってきました。
◎「半額」となる基準の金額がそもそも高い
ソフトバンクで言うところのホワイトプラン(1分40円程度)などと比較すれば半額になるのですが、
ダブルホワイト(月額980円で1分20円程度)などのプランに入っている場合
節約効果はありません。
また、050plusと比較した場合はむしろ割高になってしまいます。
(固定電話をかけた場合はもちろん、携帯電話にかけた場合でも)
http://050plus.com/pc/charge/
050plusは携帯電話にかけた場合1分16.8円、固定電話にかけた場合3分8.4円です。
普段の電話番号をそのまま使えるというメリットは大きいかもしれませんが、
すでに050plusを利用している方にとっては、利用価値は低いかもしれません。
◎同キャリア同士の無料通話が適用されない
ソフトバンクならソフトバンク同士、ドコモならドコモ同士、家族同士などで通話した時に
一定の条件(料金プランや時間帯など)を満たせば通話無料となりますが、
楽天でんわを利用した場合はそれが適用されません。
050plusを利用していない方であったとしても、
相手の携帯電話がドコモか、auか、ソフトバンクかをチェックしてから電話しなければ損してしまうかもしれないので、使いドコロは難しいでしょう。
◎発想は面白いが…
発想は非常に面白いのですが、あと一歩工夫しなければ業界標準のサービスにのし上がることは難しそうです。
例えば、技術的にできるかどうかは無視して書きますが
「相手のキャリアを自動判別して、楽天でんわ(フュージョン)を経由した方が安くなる場合にだけそちらの回線を使う」…というような振り分けがアプリ側でコントロールできるなら、非常に有用なサービスになると思います。
(もちろん、通話料が050plusなどの競合アプリ並みに引き下げられれば尚良しです。)
まずは飛びついて登録してみましたが、個人的な印象として実際に使うかどうかは、今後のサービス改善次第だと思っています。
ただ楽天自身のサービス改善、あるいは競合他社からさらに改善されたサービスがリリースれることも今後期待できるのではないでしょうか。
仕組み自体は非常に良いサービスだと思いますので、改善に期待しています。