笑顔で報道陣に応じた阿部

　巨人・阿部慎之助捕手（３４）が５日、米ニューヨークから成田空港に帰国した。

　６日間の同地滞在中、松井秀喜氏（３９）と旧交を温めたことについて「良かったよ。２人でコーヒーショップ行ったりと、なかなか日本ではできないことも体験できたしね」。満足そうに笑顔で振り返った。

　一方、巨人から来春の宮崎キャンプでの臨時コーチ就任を要請されている松井氏が「今の（巨人の）選手をほとんど知らないと言っていた」ことも明かした。まだ同氏は正式に返事をしていないが、実現すれば大半の選手たちと短期間ながら同じチームの一員として初めて接する形になる。しかし阿部に仲介する意思はまったくない。その上で後輩たちへ、次のようにメッセージを送った。

「自分で行けって！　松井さんは聞いたら、何でも教えてくれる。どんどん行ったほうがいい」

　手厳しいようにも思えるが、球団関係者は「慎之助は常々『若手にはもっと自分で考えて動いてほしい』と言っているからね。松井との交流は、個々が成長するチャンスととらえているのではないか」と補足する。

　そんな阿部もニューヨーク滞在中に偉大な先輩から“成長の糧”を得ていた。「松井さんとの会話で印象に残ったのは『シンプルに』ということ。考え方もそうだし、いろいろな意味でね」と述べ、あらためて自分自身を見つめ直したという。

　松井氏の一挙一動は、すべてがお手本となるはずだ。他の巨人ナインにとっても「生きる教材」となるだけに阿部は松井氏と宮崎での再会を熱望している。