古里原発1号機が故障を起こしてからわずか1週間後の4日、今度は全羅南道霊光のハンビッ原発3号機がタービン発電機の故障で稼働が中断した。この結果、全国にある23基の原発のうち7基の稼働が中断し、電力供給能力は本来の8500万キロワットから7890万キロワットにまで落ち込んだ。今冬の電力需要は最大で8100万キロワットを上回るものと予想されているが、これに対して供給できる能力は200万キロワット以上も足りなくなっているのだ。
原発部品の試験成績書偽造問題の影響で、現在3基の原発でケーブルを交換する作業が行われているが、これらが今月中に再稼働すれば、供給能力は300万キロワットほど上乗せできるため、電力需給のバランスは何とか維持できそうだ。しかし突然の強烈な寒波により、電力需要がたとえ一瞬でも急激に増加すれば、全ての発電所が一気に停止し、全国が暗黒に包まれるいわゆる「ブラックアウト」が発生する恐れがある。
ハンビッ3号機と古里1号機は長い整備期間を経て、最終的に「異常なし」との判定を受けたはずだが、再稼働からわずか数カ月で再び故障を起こし停止してしまった。冬の電力需要の増加に備えて現在整備が行われているハンビッ4号機も、整備中に想定外の大きな欠陥が見つかったため、当初予定されていた来年1月に発電を再開できるか不透明な状況だ。これでは現在稼働中の16基の原発も、いつどこでどんな問題が発生するか予想もつかない。
短期間に電力供給能力を一気に増やす方法など存在しない。そのため当面は今年の夏と同じく、国民と企業が電気の節約に取り組む以外にないだろう。同時に中長期的な電力需給安定策も根本から練り直さねばならない。政府が取りまとめた長期エネルギー需給対策と並行して、原発をはじめとする発電所建設反対勢力が主張する内容も国民に提示し、いかなる対策を選択するか今こそ決めなければならない。