「5ミリシーベルトで帰村」強調 飯舘村長が日本記者クラブで講演
飯舘村の菅野典雄村長は4日、東京都千代田区の日本記者クラブで記者会見した。村が当面の除染目標を年間追加被ばく線量で5ミリシーベルト以下としていることに触れ、5ミリシーベルトで帰村を進めたいとする考えをあらためて強調した。
菅野村長は費用対効果の観点で除染を進めようとする考え方を批判。森林を含め除染を一通り実施するべきだとした上で、「最終的に(年間追加被ばく線量は)1ミリシーベルト以下になってほしいが、村民が避難生活で体を悪くしていることを考えると、帰村を5ミリシーベルト以下で考えてみたい」と述べた。
村が抱える課題として除染に加え、賠償、人口減への対応、生活支援・健康、子ども・教育の計5点を挙げた。賠償について「賠償という言葉からは未来は描けない。できるだけ早く生活支援、生活再建に切り替えていかなければならない」と訴えた。さらに、「原発災害は心の分断の連続だ。われわれは心を一つにして取り組みを進めてきたが、線量の高低で帰還時期が違い、賠償の額も違ってくる」と苦しい胸の内を明かした。
村が掲げる「までいライフ」の考え方についても紹介し、「成長は必要だが、成熟した社会の中で成長を考えていかなければならない」と訴えた。
(カテゴリー:福島第一原発事故)