台湾:中国軍が「20年に台湾への侵攻能力完備」と報告書

毎日新聞 2013年10月08日 20時02分

 【台北・鈴木玲子】台湾国防部(国防省)は8日、2013年版「国防報告書」を発表した。報告書は中国軍について「2020年には台湾への全面的な侵攻能力を完備する」と警鐘を鳴らした。前回(11年)の「20年までに台湾への大規模作戦が可能」とした表現から、さらに踏み込んだ。

 報告書では、中国の軍備拡張に伴う戦力強化を挙げ、「『台湾は中国の核心的利益であり、武力使用を放棄しない』と中国は強調しており、中台間に軍事衝突の危機はなお存在する」と指摘した。

 昨年の中国の国防費は1064億ドルと台湾の約10倍で、ハイテク兵器やサイバー攻撃部隊の技術力が向上。戦闘機やミサイル部隊を沿海部に配備し、台湾に向けたミサイルは1400基余りに上るという。また、海軍の遠洋進出や陸海空軍による合同上陸訓練を展開していると指摘。無人機などによる偵察能力の強化も挙げている。

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