1票の格差:広島高裁も指摘する「制度改革待ったなし」

毎日新聞 2013年12月05日 13時09分(最終更新 12月05日 13時52分)

7月の参院選の「1票の格差」を巡る裁判で、請求棄却の判決について不満を示す原告側の弁護士グループ=広島市中区で2013年12月5日午前11時48分、山崎一輝撮影
7月の参院選の「1票の格差」を巡る裁判で、請求棄却の判決について不満を示す原告側の弁護士グループ=広島市中区で2013年12月5日午前11時48分、山崎一輝撮影

 広島高裁が5日下した判決は、1票の格差が最大で4.77倍だった参院選を「違憲状態」とする一方、選挙は有効とし、違憲・無効とした先月28日の同高裁岡山支部と判断が分かれた。参院が制度改革の方向性を示していることなどを踏まえ、国会の裁量に一定の配慮を示したもので、昨年の衆院選を「違憲状態」とした先月20日の最高裁判決に沿う判断と言える。

 岡山支部判決は、制度見直しを求めた2009年の最高裁判決から約3年9カ月が経過しながら十分な是正措置をとらなかった点を批判。国会の対応を「制度の見直しに向けて具体的・本質的な協議が行われているとは認められない」と断じた。

 これに対し、この日の広島高裁は「見直しには高度に政治的な判断が求められる」と指摘し、国会に猶予を与えた。しかし、投票の価値が著しく不平等な状態を許したわけではない。制度改革が「待ったなし」の状況であるのは変わりがなく、そのことを国会は肝に銘じるべきだ。【服部陽、黄在龍】

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