東日本大震災:宗教が果たした役割とは 不安な夜、頼り、支えられ

2013年11月21日

300人を超える住民が犠牲になった宮城県東松島市野蒜地区。全国から集まった青年僧侶約300人が巡礼、鎮魂の読経が海岸に響いた=2013年11月13日、小川昌宏撮影
300人を超える住民が犠牲になった宮城県東松島市野蒜地区。全国から集まった青年僧侶約300人が巡礼、鎮魂の読経が海岸に響いた=2013年11月13日、小川昌宏撮影

 「大震災と宗教」を考えた時、今回、特筆すべきことの一つは多くの宗教学者が支援に向けて動いた点だ。従来は、調査はしても支援活動には関わってこなかった。

 その姿勢を破った一つの理由に、オウム真理教事件への反省が挙げられる。1995年、同教団に強制捜査が入る前後、メディアは宗教学者に「オウムの危険性を教えてほしい」と依頼したが、断られるばかりだった。現実から距離を取って事実把握に努めるのが研究者であり、警鐘を鳴らすのは役割が違うからだ。

 「オウム事件で傍観者だった反省はある。密着しても見えなくなるが、離れすぎても見えない」。島薗進・上智大学教授(64)は、震災翌月の4月1日に研究者と宗教団体による「宗教者災害支援連絡会」を設立し、代表に就任。避難所・支援情報などを提供した。超宗派での心のケア、活動の検証など地道な取り組みを続ける。

 稲場圭信・大阪大学准教授らは2011年3月、「宗教者災害救援ネットワーク」を設置し、宗教者の救援情報、活動場所、義援金情報などを「宗教者災害救援マップ」に集約し、インターネットで公開。支援活動の情報源になった。その後、各教団の連携作りのため、全国8万件の指定避難所、20万件の宗教施設データをまとめた日本最大の「未来共生災害救援マップ」を作って公開した。

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