秘密保護法案:強行、また強行 与党、質問時間残し

毎日新聞 2013年12月05日 21時43分(最終更新 12月06日 00時57分)

参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案を採決、可決するため起立する与党議員=国会内で2013年12月5日午後4時10分、武市公孝撮影
参院国家安全保障特別委員会で特定秘密保護法案を採決、可決するため起立する与党議員=国会内で2013年12月5日午後4時10分、武市公孝撮影

 委員会室の外では、法案担当の官僚が資料の詰まったカバンを手に立っていた。記者が「堂々と採決してほしかったのでは」と声をかけると「国会は難しいところだね」とひと言。硬い表情で立ち去った。

 採決の様子をテレビニュースで知った元参院事務局部長の佐藤吉弘さん(91)は「参院は衆院の付属物になっちゃったね。まるで茶番」と切り捨てた。

 参院での合計の審議時間は24時間。衆院審議の7割の時間を割くのが通例だが、半分程度に終わった。

 安倍晋三首相は、秘密指定の監視をする機関や運用基準を決める有識者会議など、極めて重要な論点を採決前日に突然持ち出した。政府・与党は「審議を尽くした」というが、的外れと言うほかない。

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