「常勤の常務理事として来ていただいています。常勤の場合、週に3日以上の勤務と定めています。報酬は月額65万円で、ボーナスも出ます。年間の報酬は1100万円です」
他の法人には、送迎用に黒塗りの車まで付けるところもあるという。
いまどき非常識ともいえる待遇での再就職が横行する警視庁の現状を、前出の大谷氏が批判する。
「彼らがどこに再就職しようと、能力を買われているなら構いません。問題なのは、警視庁側が事実上『おまえのところは何人引き受けろ』と、企業に採用枠を押しつける形になっている場合です。長年にわたる先輩からの申し送りで、ポストが指定席化しているのに、表向きは『企業側から強い要請があったため』と言ってごまかしている」
企業側に、警視庁OB受け入れの「枠」が存在することは間違いない。今回取材に応じたあるメーカーの担当者もこう洩らした。
「採用にあたっては、うちの人事担当と先方の人事担当(人事第一課)がやりとりをしていますが、『もっと多く受け入れてくれないか』という警視庁の要望に対し、こちらは『もう十分です』と断っています。うちの枠は2名ですが、最大限の人数を採っている」
ただ、多くの企業が警視庁OBをしぶしぶ受け入れている一方で、警視庁OBと「共生」関係にある業界も少なくはない。
「普段から警察への根回しが欠かせないパチンコ業界はもちろん、意外に多いのはホテル業界。客とのいざこざやトラブル対応に必須なので、名門ホテルには常に3~4人の警察OBが在籍しています。
金融や不動産業界では、物件の調査や不良債権者の人物調査が必要というのが建前ですが、やはり最も期待されている役割は暴力団相手の用心棒。大手不動産で警察OBを雇用していないところはありません」(前出・警視庁OB)
退職後の暮らしが不安なのは、誰しも同じことだ。
警視庁の天下り事情は公務員の中でも際立って恵まれている。警察官を勤め上げたから退職後は特別扱いが許されるなどという道理は、どこにもないはずである。
「週刊現代」2013年11月30日号より
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