スクープ入手! 2013年版警視庁「天下り」リスト みずほFG 東京電力 マクドナルド 野村證券 西松建設 ほか 有名企業、問題企業がズラリ

2013年11月26日(火) 週刊現代

週刊現代経済の死角

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自身も退職後大手企業に再就職したという、警視庁元幹部が語る。

「警務部人事第一課は約200人の職員が所属する部署。幹部の人事を司るとともに、問題があるとされる警察官の素行調査などを行い、内部でも恐れられている。そして、彼らのもうひとつの重要な仕事が、幹部職員の再就職を世話することなのです」

不思議なのは、近年では規制が強まり、公務員の天下りは厳しく取り締まられているはず。なぜ、警視庁ではこうした人事課主導の大々的な天下りがまかり通っているのか。

「確かに、国家公務員の天下りに関してはずいぶん厳しくなりました。しかし、警視庁は霞が関にありながら、実は東京都の組織。そのため、盲点となってマスコミの批判を受けることもなく、今も天下りし放題なのです」(全国紙社会部記者)

事実、この資料は警視庁本部庁舎内の情報公開センター内で、一定の手続きを踏めば閲覧・複写することができる。しかし、事実上そうした知識をもつ一般人は皆無であり、この「天下りリスト」は誰の目にも触れることなく、閲覧期限を迎えてひっそりと処分されてゆくのである。

今回本誌は、リストに載っている56の企業・団体全てに取材を申請した(リストの抜粋と取材結果の詳細は53ページに掲載)。その中で直接の取材に応じた警視庁OBが一人だけいた。元捜査第三課長で、現在は公益財団法人・暴力団追放運動推進都民センター事務局長を務める竹野哲弘氏だ。

「普段は相談を受けたり、講演や協議会に出かけて挨拶したりしています。任期はだいたい5年。警視庁の退職者を受け入れる体制は、もちろんありますよ。次もまた誰か来るでしょう。

うちは暴力団を相手にする組織ですから、知識のない人が来てもどうしようもないんですよ。とはいえ、私も出身は三課(註・盗犯担当)ですけどね。人事一課から通知が来たら、言われたところに行くしかないんです」

この竹野氏の証言は、天下りが人事第一課主導であることを裏付けている。

また少数ではあるが、他の企業・団体から寄せられた言い分も見てみると、

「警察官としての知見、経験を活用するために採用している」(かんぽ生命保険)
「リスク管理についてのアドバイザーとして雇用している」(東レ)
「これまでの経験を活かして、活躍が期待できる方を採用しています」(三井住友海上)

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