■チリ@ワシントン

 【大島隆】「チリ」はアメリカの国民食といっていいくらい、皆に愛され、広く食べられている食べ物だ。

 正式な名称は「チリコンカーン」だが、アメリカでは皆、略称で「チリ」と呼ぶ。ひき肉、豆、タマネギ、トマトなどに辛いチリパウダーを加えて煮込んだもの。見た目は日本のミートソースを想像してもらうとイメージがわくだろうか。

 食べ方はいろいろだ。タマネギやチーズ、サワークリームを混ぜてそのまま食べたり、ホットドッグにのせて「チリドッグ」にしたり。スパゲティにのせる食べ方もあり、これはスパゲティ・ミートソースにそっくりだ。19世紀半ばにメキシコから分離し、アメリカに併合されたテキサス州が発祥の地と言われているが、いまでは全米で親しまれている。

 ワシントンDCで最も有名な専門店「ベンズ・チリ・ボウル」に行ってみた。そのまま食べるチリ・ボウルからチリ・ドッグ、チリ・バーガー、フレンチフライにチリをかけたチリ・フライズまでメニューにはいろいろある。

 まずはチリ・ボウルを食べてみる。豆と牛肉のひき肉がたっぷり入っている。トッピングはチーズと刻んだタマネギだ。

 チリの中には、全く辛みを感じないものもあるが、この店のチリは一口食べるとすぐに、唐辛子のピリッとした辛みが口の中に広がる。ほんの少し苦みもあり、様々なスパイスを使っているようだが、そのあたりのレシピは秘密だそうだ。新メニューにはご飯にチリをのせた「ライス・ボウル」もある。意外な組み合わせだが日本人の口には合う。

この記事に関するニュース
  • レコメンドシステムによる自動選択