韓国「識別圏」拡大も 日本と重なる形に12月5日 18時58分
中国が東シナ海の広い範囲に防空識別圏を設定した問題について、韓国のキム・グァンジン国防相は、韓国の防空識別圏を中国だけでなく日本とも重なる形で拡大することを検討していると明らかにしました。
中国政府が先月、沖縄県の尖閣諸島の上空を含む東シナ海の広い範囲に設定した防空識別圏について、韓国は自国の防空識別圏と一部が重なっているうえ、中国との間で管轄権を争っている暗礁「イオ島」が含まれていることから、中国政府に識別圏の範囲を変更するよう求めています。
この問題について、韓国のキム・グァンジン国防相は5日に行われた国会の国防委員会で、韓国の防空識別圏を拡大する方向で、今週、最終的な決定を目指していることを明らかにしました。
そして、拡大の範囲については、韓国南部にあり、現在、その領空の一部が日本の防空識別圏に入っている「マラ島」と「ホン島」周辺を含める方針を示しました。
また、日本に加え、今回、中国が識別圏に含めたイオ島についても「当然、防空識別圏に含まれなければならない」としています。
最終的な判断は5日から韓国を訪れるアメリカのバイデン副大統領との協議も経て、決めるものとみられますが、方針どおり決まれば、韓国の防空識別圏は中国だけでなく、日本の防空識別圏とも重なる形で拡大されることになります。
官房長官「冷静に状況を注視」
菅官房長官は臨時閣議のあとの記者会見で、「現時点で韓国政府が何らかの措置を決定したとは承知していない。政府としてはコメントを差し控えたい」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、記者団が「中国が防空識別圏を設定したことが影響したと思うか」と質問したのに対し、「刺激したのではないか。中国が一方的に防空識別圏を設定したことが、地域の緊張増大につながることへの懸念を改めて表明したい。政府としては、引き続き冷静に状況を注視し、しっかりと対応していきたい」と述べました。
また、菅官房長官は、記者団が「ヘーゲル国防長官が『防空識別圏の設定自体は、新しいことでも特別なことでもない』と発言したことは、中国の措置を容認したように見えるが」と質問したのに対し、「そこは全く当たらない。日米間では、中国による一方的な現状変更の試みを黙認せず、力強い日米同盟に基づいて、引き続き緊密に連携して対応することをすでに確認している」と述べました。
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