防空圏、日本とも重複＝拡大を週内決定―韓国国防相

　【ソウル時事】韓国の金寛鎮国防相は5日の国会答弁で、防空識別圏拡大について週内に決定すると明らかにした。日本や中国の防空識別圏と一部重なる形とする方針で、実現すれば両国の反発が予想され、防空圏問題は日中に韓国も巻き込んだ外交懸案に発展しそうだ。
　韓国政府は、中国が韓国と一部重なる形で防空圏を設定したことに対抗し、防空圏拡大の検討を進めていた。6日の朴槿恵大統領とバイデン米副大統領との首脳会談での最終的な意見調整を経て、方針を決定、公表する見通しだ。
　金国防相は、拡大範囲に中韓が管轄権を争い、韓国が構造物を建てた海中岩礁・離於島のほか、領空の一部が日本の防空圏に入っている南西沖の馬羅島、南東沖の鴻島が含まれるとの考えを示した。離於島は、今回中国が防空圏に含め、日本の防空圏にも含まれている。
　金国防相は「まだ最終決定が残っているが、国益を最大限維持することを目的に決める。政府案が確定したら（周辺国に）説明する」とし、「（日本と）問題が円満に解決されるように外交的努力をする」と述べた。また、「韓国の国益を米国も認めている」と述べ、米国が反対しないとの見方を示した。