強要未遂容疑:新実死刑囚の妻を逮捕 アレフ入信迫る
毎日新聞 2013年12月04日 12時13分(最終更新 12月04日 13時31分)
オウム真理教の流れをくむ「アレフ」に知人男性を無理やり入信させようとしたとして、大阪府警は4日、元オウム真理教幹部の新実智光死刑囚(49)の妻で、アレフ信者の新実(にいみ)由紀容疑者(36)=東京都練馬区小竹町2=を強要未遂の疑いで逮捕した。由紀容疑者は「夫は10人以上を殺した」などと入信を迫った疑いがあるという。
府警はこの日朝、東京都杉並区や大阪市生野区の教団施設など6カ所を家宅捜索した。
逮捕容疑は今年6〜7月、大阪府内に住む30代男性に、アレフが関与しているとみられる冊子を渡したり、アレフのホームページアドレスを添付したメールを送信するなどし、教団に入信するよう強要したとされる。男性とは面識があり、その後、インターネットの交流サイトなどで連絡を取り合っていたとみられる。
府警警備部によると、由紀容疑者は昨年8月に新実死刑囚と結婚した。男性に夫が新実死刑囚であり、殺人事件に関与していることを伝え、入信を迫ったという。今年8月、男性が府警に被害を相談した。
由紀容疑者は4日午前7時20分ごろ、捜査員が自宅を訪れた際、「え?オウムですか。違います」と教団との関わりを否定した。しかし、自宅の捜索では、松本智津夫(麻原彰晃)死刑囚(58)の写真が多数見つかったほか、枕元には松本死刑囚の写真が飾られ、水が供えられていたという。府警は組織的な関与など背後関係を調べる方針。
新実死刑囚は、地下鉄サリン事件など、オウム真理教による殺人事件7件すべてに関与したとされる古参幹部。11の事件で殺人罪などに問われた公判では、松本死刑囚の直弟子を自任した。