Updated: Tokyo  2013/12/05 20:11  |  New York  2013/12/05 06:11  |  London  2013/12/05 11:11
 

12月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円が対ドルで続伸、米緩和縮小観測でリスク資産敬遠

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで続伸。米経済指標が予想を上回り、世界的に株価を押し上げてきた米金融緩和策が縮小されるとの思惑から円への逃避需要が強まった。

円は対ドルで前日に付けた6カ月ぶり安値から上昇した。米ADPリサーチ・インスティテュートが発表した民間部門雇用者数の増加は、景気回復に勢いが付き始めていることを示した。6日には雇用統計が発表される。日経平均株価指数先物は0.9%安。

ドイツ銀行のG10為替戦略グローバル責任者のアラン・ラスキン氏は「強いデータが出れば、市場が米金融緩和の縮小を連想することが円の材料になっている。円と日本株の関係はニワトリと卵の議論にやや似ているが、支配的な関係であることは間違いない。円は株価と連動したような動きになっている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円は対ドルで0.2%高の1ドル=102円36銭。前日には103円38銭と、5月23日以来の安値を付けた。ドルは対ユーロでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3593ドル。円は対ユーロで0.1%高の1ユーロ=139円13銭。

主要10通貨に対するドル相場を反映するブルームバーグ米ドル指数は前日比ほぼ変わらずの1020.94。前日は1025.36と、9月13日以来の水準に上昇した。

ボラティリティ

JPモルガン・チェースのG7ボラティリティ指数は8.59%と、10月10日以来の高水準となった。年初来の最低水準は10月28日に記録した7.48%。

ADPが発表した11月の米民間部門の雇用者数は前月比21万5000人増加した。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は17万人の増加だった。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は「外為市場の反応からADP統計が最も重要な指標であることが分かる。6日発表の雇用統計が力強い雇用の伸びを示すとの見方を強めた」と指摘。来年は「ドルの年となる可能性がある。米金融当局は資産購入額の減少による緩和縮小に徐々に近づいている」と述べた。

ADPと雇用統計の相関

フラヌロビッチ氏はADP統計と雇用統計の相関について、「過去のデータがあまり良い結果を伴っていないことに留意している」と述べた。

ブルームバーグがまとめた調査によると、11月の米雇用統計の非農業部門雇用者数は18万5000人増が予想されている。10月は20万4000人増加だった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米経済は10月初めから11月半ばにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。製造業やテクノロジー、住宅の分野で活動が上向いた。

FRBが11月20日公表したFOMC(10月29-30日開催)の議事録によれば、政策当局者らは経済の改善に伴い、月額850億ドルで実施している債券購入の規模を「数カ月内」に縮小する可能性があるとの認識を示した。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重指数によれば、ドルは年初から3.9%上昇。ユーロは7.4%高、円は13.5%安となっている。

原題:Yen Gains Second Day as Riskier Assets Fall on FedTapering View(抜粋)

◎米国株:4日続落、日中はもみ合い-経済指標を見極め神経質な展開

米株式相場は4営業日続落。S&P500種株価指数は過去10週間で最長の連続安となった。量的緩和の縮小時期を判断する上で手掛かりとなる経済指標を見極める動きが広がった。財政協議については展開を楽観する向きも見られた。

シアーズ・ホールディングスが安い。ヘッジファンドマネジャーのエドワード・ランパート氏が保有株比率を50%未満に引き下げた。データベース管理サービスのテラデータも下落。モルガン・スタンレーの投資判断引き下げが嫌気された。

S&P500種株価指数は前日比0.1%安の1792.81。日中は一時0.3%上げた一方、0.9%安となる場面もあった。ダウ工業株30種平均は24.85ドル(0.2%)下げて15889.77ドル。

グリーンウッド・キャピタル・アソシエーツのウォルター・トッド最高投資責任者(CIO)は「市場はかなり神経質になっているようだ」と指摘。「今年の取引日数はあと20日ほどだ。今年は非常に良い年だった。投資家は若干落ち着かない状況で、できることならきょう、今年の取引を終了させたい気分だろう」と続けた。

S&P500種は年初来で26%上昇し、このままいけば年間上昇率は2003年以降で最大となる。

経済指標

この日の経済指標では、11月の米民間部門の雇用者数が増加し、増加幅はここ1年で最大となった。労働省が6日発表する11月の雇用統計では、失業率は7.2%への低下が見込まれている。実際にそうなれば08年以来の低水準となる。

米供給管理協会(ISM)が発表した11月の非製造業景況指数は、拡大ペースが市場予想を下回った。10月の新築住宅販売は前月比で約30年ぶりの大幅増となった。

米連邦準備制度理事会(FRB)が4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米経済は10月初めから11月半ばにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。製造業やテクノロジー、住宅の分野で活動が上向いた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は今月17-18日に政策決定会合を開催する。ブルームバーグが8日に32人のエコノミストを対象に実施した調査では、来年3月18ー19日に開催される会合で債券購入規模が現在の850億ドルから700億ドルに縮小されるとの予想が示された。

難しい状況

ブローカーのライトスピード・ファイナンシャル、チーフ市場ストラテジスト、ベン・シュワルツ氏は「誰もが量的緩和の縮小を懸念している」とし、「今年これまでの上昇を考えると、現在は非常に判断の難しい状況だ。投資家は自らのポジションに疑問を投げ掛けている。経済をめぐりなお多くの不確実要素が存在する」と続けた。

議会の財政協議では、担当する与野党議員29人を主導するリーダー2人が現在、ぎりぎりの交渉を行っている。同協議は来年1月に発動する一部強制歳出削減に取って代わる予算削減での合意を目指している。

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数(VIX)は1%上げて14.70と、6週間ぶり高水準となった。同指数は7営業日連続で上昇している。

S&P500種では業種別10指数のうち6指数が下落。エネルギーや生活必需品関連の下げが目立った。

テラデータは6.2%安の42.53ドル。S&P500種で値下がり率トップとなった。モルガン・スタンレーはテラデータ株の投資判断を「アンダーウエート」とし、従来の「イコールウエート」から引き下げた。

シアーズは8.3%下げて50.92ドルと、ほぼ3カ月ぶり安値。米証券取引委員会(SEC)への3日付の届け出によれば、ランパート氏が創設したESLインベストメンツはシアーズ株の保有比率を48%に引き下げた。

原題:U.S. Stocks Drop on Fed Stimulus Bets Amid BudgetNegotiations(抜粋)

◎米国債:10年債利回りが11週間ぶり高水準に、民間雇用統計で

4日の米国債は下落。10年債利回りは9月以来の高水準に押し上げられた。朝方の民間雇用統計で予想を上回る雇用者の増加が示されたことから、米金融当局は今月にも債券購入策を縮小する可能性があるとの見方が広がった。

2年債と10年債の利回り格差は2011年7月以来で最大の幅に近づいた。給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は1年ぶりの大幅な伸びを記録した。米労働省は6日に11月の雇用統計を発表する。次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月17-18日に開かれる。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「市場は情報に飢えている。6日発表の雇用統計までに出てくる情報は常に重要視される」と述べ、「力強い雇用統計が発表され、12月のFOMC会合で緩和策縮小が決定される可能性が高まるとの見方が強まっているようだ」と続けた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.83%。一時は9月18日以来の高水準となる2.85%をつけた。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は14/32下げて99 9/32。30年債利回りは6bp上昇して3.9%。2年債利回りはほぼ変わらずの0.29%。

ADP雇用統計

2年債と10年債の利回り格差は一時255.9bpと、11月21日に記録した2011年7月以来で最大となる256.2bpに迫った。

ブルームバーグ米国債指数は米金融当局が量的緩和第3弾を開始した昨年9月13日から、これまでに2.2%下げた。

11月の米民間部門の雇用者数は前月比21万5000人増加し、ここ1年で最大の増加幅だった。ブルームバーグがまとめたエコノミストの予想中央値は17万人の増加だった。前月は18万人4000人増(速報値13万人増)に修正された。 

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想によると、労働省が6日に発表する11月の雇用統計は、前月比で18万5000人の雇用者増が見込まれている。

ニューヨーク連銀はこの日、償還期限2022年5月から2023年8月までの国債31億8000万ドルを購入した。

米連邦準備制度理事会(FRB)が先月20日公表したFOMC(10月29-30日開催)議事録によれば、当局者らは「労働市場の状況改善に関する委員会の見通しと整合性がある経済データになり、よって数カ月内の購入ペース減速が正当化されると、おおむね予想した」と記された。

ベージュブック

FRBが4日公表した地区連銀経済報告(ベージュブック)によると、米経済は10月初めから11月半ばにかけて引き続き「緩慢ないしまずまず」のペースで拡大した。製造業やテクノロジー、住宅の分野で活動が上向いた。ベージュブックが発表された後も米国債は軟調に推移した。

メリルリンチ・オプション・ボラティリティ・エスティメート(MOVE)指数は前日に72.08だった。11月18日には58.31と、6カ月ぶりの低水準を付けていた。

ブルームバーグが金融機関を対象に実施した調査によると、10年債利回りは来年半ばまでに3.07%に上昇し、その年末までには3.40%をつけると予想されている。

原題:Treasury Yields Climb to 11-Week High as ADP Spurs JobsOptimism(抜粋)

◎NY金:反発、7週間ぶり大幅高-ドル伸び悩みや商品相場上昇で

ニューヨーク金先物相場は反発。7週間ぶりの大幅高となった。ドルが伸び悩んだことが背景。原油を中心に商品相場が上昇したことも、インフレヘッジとしての金買いを誘った。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「ドルが下げ始めたのに伴い、金は上昇した」と指摘。「商品の強さも金を支えており、テクニカルな買いも入っている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2月限は前日比2.2%高の1オンス=1247.20ドルで終了。10月17日以来の大幅上昇となった。

原題:Gold Posts Biggest Gain in Seven Weeks as Dollar ParesGains(抜粋)

◎NY原油:大幅続伸、5週ぶり高値-米在庫が11週ぶりに減少

ニューヨーク原油先物相場は大幅続伸し、5週間ぶり高値。米エネルギー情報局(EIA)の統計では在庫が11週間ぶりに減少し、製油所稼働率は9月以来の高水準となった。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィンロン氏は「原油在庫はようやく減少した。製油所の稼働率が上昇しているため、想定されていた結果だ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の電子取引で原油先物2014年1月限は前日比1.16ドル(1.21%)高の1バレル=97.20ドルで終了した。終値ベースで10月29日以来の高値。

原題:WTI Crude Gains as U.S. Supplies Tumble First Time in 11Weeks(抜粋)

◎欧州株:4日続落、エレクタが安い-米緩和縮小が早まるとの懸念で

4日の欧州株式相場は下落し、指標のストックス欧州600指数はここ5カ月で最長の4営業日続落となった。11月の米民間部門の雇用者数が予想を上回る伸びとなったことから、米金融当局が予想より早く緩和縮小に動くとの懸念が強まった。

スウェーデンの医療機器メーカー、エレクタ は5.4%安。四半期利益が予想に届かなかったことが売り材料。英スタンダードチャータードを中心に銀行株が下げた。一方、フランスの自動車メーカー、プジョーシトロエングループ(PSA)は5.3%上昇。ゴールドマン・サックス・グループが同銘柄を買い推奨に指定した。

ストックス欧州600指数 は前日比0.6%安の317.24で終了。一時1.1%安となった。前日は1.5%下落。世界の主要中央銀行による低金利政策継続を支えに、年初来では13%上げている。

ADPリサーチ・インスティテュートがこの日発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は前月比21万5000人増加し、ここ1年で最大の増加幅だった。エコノミストの予想中央値は17万人の増加。

RMGウェルス・マネジメントのスチュアート・リチャードソン最高投資責任者(CIO)は電話インタビューで、「米縮小緩和につながるいかなる兆候も市場では警戒され、ADPの数値を受けて投資家の懸念は強まる」とし、「相場が若干下げ始めると、年初からのプラス分が失われると投資家は心配する。年末に向け利益確定を急ぐだろう」と語った。

4日の西欧市場ではアイスランドを除く17カ国で主要株価指数が下落した。

原題:European Stocks Decline as U.S. ADP Jobs Data Fuel TaperConcern(抜粋)

◎欧州債:ドイツ国債が下落、雇用者増で米緩和縮小が早まるとの観測

4日の欧州債市場ではドイツ国債を中心にユーロ圏諸国の国債が総じて下落。米国で民間部門の雇用者数が予想を上回る伸びとなり、米金融当局が緩和縮小開始を前倒しするとの観測が強まった。

ドイツ10年債利回りは6週間ぶり高水準 となった。この日発表の7-9月(第3四半期)の統計で、ユーロ圏が2期連続のプラス成長となったことが確認された。ドイツ5年債入札では、応札倍率が前回入札を下回った。イタリア10年債は7月以降最長の4営業日続落 。米労働省は雇用統計を6日に発表する。

コメルツ銀行(フランクフルト)の債券ストラテジスト、アレクサンダー・アルディンガー氏は「金曜日に発表される非農業部門雇用者数が予想を上回れば、米緩和縮小が再び論点になるのは確実だと投資家は恐れている」と発言し、「それが主な理由でドイツ国債相場が下げ、周辺国債が売られている」と続けた。

ロンドン時間午後4時19分現在、ドイツ10年債利回りは前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の1.81%。これは10月22日以来の高水準。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格は0.765下げ101.67。5年物利回りは8bp上昇し0.76%。

ADPリサーチ・インスティテュートが発表した給与名簿に基づく集計調査によると、11月の米民間部門の雇用者数は前月比21万5000人増加し、ここ1年で最大の増加幅だった。ブルームバーグがまとめたアナリスト調査の中央値では、米労働省が発表する非農業部門雇用者数は18万人の増加が見込まれている。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が発表した7-9月の域内総生産(GDP)改定値は前期比0.1%増と、先に発表された速報値と一致した。4-6月(第2四半期)は0.3%増だった。

英国債相場は下落し、10年債利回り は8bp上昇し2.89%。9月24日以来の高水準となる2.91%に達する場面もあった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.675下げ94.525。

原題:Germany’s Bonds Lead Declines in Europe Amid Fed TaperingBets(抜粋)Pound Falls From Near Two-Year High on Service Data; Gilts Slide(抜粋)

更新日時: 2013/12/05 07:57 JST

 
 
 
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