ベクター テーブルのスタイルについて
スタイル エディタを使用すると、地図の表示ルールを作成できます。ここでは、次の項目について説明します。
表示ルールの概要
表示ルールは、特定のズーム レベルにおける地図の表示形式を指定するものです。ズーム レベル ゼロ(0)で遠くなり(ズームアウト)、ズーム レベル 24 で近くなります(ズームイン)。さまざまなズーム レベルやズーム レベル範囲ごとに表示ルールを作成すると、ユーザーがズームインやズームアウトをしたときに地図の表示を切り替えることができます。
各表示規則で指定できる項目は次のとおりです。
- 各対象物の表示形式。ラインの色やポリゴンの塗りつぶしの色、ポイントに関連付けるアイコンなどを指定できます。
- スタイルを適用する特定の対象物を決めるフィルタ。
フィルタ
フィルタを適用すると、ベクター テーブルのデータを選んでスタイルを適用できます。たとえば、道路が入っているベクター テーブルに属性 ROADCLASS
があるとします。この属性で、道路の重要度とサイズを表します。フィルタの基準を ROADCLASS
の値にすることで、国道の表示ルール、地方道の表示ルール、市道や歩道の表示ルールを作成できます。
複数のフィルタを組み合わせると、さらに複雑な条件を指定できます。たとえば、人口集中地域を示すポイントで構成されるデータ ソースを使用しているとします。属性に 1950 年の人口と 2000 年の人口の項目があります。この 50 年の間に人口が 100 万人未満から 500 万人以上に増加した場所をハイライト表示するには、特定のアイコンを選択して、次の 2 つのフィルタを設定します:
- 人口が 500 万人以上の場所と一致するフィルタ
- 1950 年の人口が 100 万人未満の場所と一致するフィルタ
表示ルールは、すべてのフィルタが一致した場合にのみベクターに適用されます。そのため、適切な対象物にのみアイコンが表示されるようになります。
フィルタが適用されないすべての対象物にはデフォルトのスタイルが適用されるため、すべてのデータのスタイルを設定する必要はありません。たとえば、主要な対象物を赤でハイライト表示し、その他の対象物を緑で表示するには、デフォルトの色を緑にしてから、主要な対象物を選択するためのフィルタを設定し、それらの対象物の色を赤にします。
表示ルールの順序
表示ルールが複数ある場合は、スタイル エディタでの表示順に適用されます。1 番目の表示規則が最初に、2 番目の表示規則がその次にというように、順に適用されていきます。各表示ルールは、1 つ前の表示ルールと一致しなかったベクターにのみ適用されます。したがって、最も具体的な表示ルールから最も一般的な表示ルールへと順に並べる必要があります。
たとえば、あるデータ セットに人口が 500 万人以上の都市が入っているとします。都市の 3 つのカテゴリ(人口が 500 万人以上、1,000 万人以上、1,500 万人以上)を区別する地図が必要です。この場合、3 つの表示ルールを作成し、それぞれにアイコンを付けて、次の順序で並べます:
- 人口が 1,500 万人以上の都市の表示規則は 1 番目
- 人口が 1,000 万人以上の都市の表示規則は 2 番目
- 人口が 500 万人以上の都市の表示ルールは 3 番目
順序は重要です。順序を逆にすると、同じアイコンがすべての都市に適用されます。これは、Maps Engine が 1 番目のフィルタを処理するとすべての都市が「500 万人以上」のフィルタと一致するためです。
既存のレイヤからスタイルをインポートする
スタイル設定プロセスを簡素化するには、別のレイヤのスタイルをコピーします。スタイルが設定されていないレイヤのスタイル編集を開始する場合、表示ルールをインポートするオプションが利用できます。表示ルールを保存してレイヤのスタイルを作成すると、このオプションは利用できなくなります。
スタイルのインポートを選択した場合、スタイルをインポートできるレイヤがリスト表示されます。公開していないレイヤ、スタイル設定していないレイヤも対象になります。
ソース レイヤのデータ スキーマとターゲット レイヤのデータ スキーマの間で不整合がある場合があります。2 つのデータ ソースで属性が異なる場合、フィルタによるマッピングが不完全になり、手動での修正が必要となることがあります。
Maps Engine で不整合のフィルタが見つかる 2 つの例を次に示します。
症状 | 原因 | 対応策 |
---|---|---|
属性フィールドが空です。 | 元のスタイルに、現在のデータにはない属性のフィルタがあります。 | フィルタを現在のデータの属性にもう一度マッピングします。[適用] をクリックするまで、フィルタの再マッピングを行うことができます。[適用] をクリックすると、インポートした表示ルールが保存されます。属性を含めるようにフィルタをマッピングしていない場合、破棄されます。 |
演算子フィールドが空です。 | 元のスタイルに、属性のフィルタがあり、現在のデータにその属性名があります。しかし、属性のデータ タイプが異なります。たとえば、データ タイプが数値ではなくテキストになっているケースがあります。 | フィルタのマッピングをもう一度行い、現在のデータ タイプに適した演算子を使用するようにします。 |
重いデータ ソースのスタイル
レイヤに重いアイテム セットが含まれている場合、アイテムを表示するズーム レベルに注意してください。ビューポートに表示できるアイテムの数には制限があるため、重いレイヤで広い領域を表示すると、一部のアイテムが表示されないことがあります。
このようなレイヤでは、各ズーム レベルでスタイル付きレイヤを表示して、対象物が正しく表示されていることを確認してください。表示規則を調節して、地図が十分にズームインされたときにのみ対象物が表示されるように設定する必要があります。