【完全版】「虚構新聞」に黒塗り記事 運営のUK氏に真意聞いたこれが事実です
取材に応じたUK氏。ファミレス「ココス」にて撮影=大津市
「辛辣(しんらつ)な風刺」「目にした瞬間ビクッとして、意味を知ってゾクッとした。これが真実になりませんように」――。「特定秘密の保護に関する法律案」という画像の文字以外は全て「■■■■■■」に塗りつぶした記事を見た人からは、こんな感想が寄せられる。
サイトを運営するのは「滋賀県在住30代の塾講師」という設定のUK氏。学生時代、エイプリルフールに友人を驚かせるため、自作のサイトにうそのニュースを書いた。それが現在の虚構新聞に発展し、現在週2~3本のペースで虚構のニュースを掲載。「森永、144個入りグロス発売」などといった記事で話題を呼んだこともある。
今から2カ月ほど前、特定秘密保護法案について毎日新聞が国に情報公開を求めた結果を報じた記事を読んだ。公開された資料はほとんど黒塗り。「滑稽なやりとりだ」と思ったという。
「官僚にせよ記者にせよ、いい大人が真っ黒な紙切れをまじめにやり取りするなんて実にアホらしい。受け取った記者も『意味のない紙切れが届いたので黒ヤギさんに食べさせました』とでも書いておけばよかったのではないか」
皮肉の矢は本紙にも向かう。
「そもそも全文黒塗り記事は、朝日新聞が先にやるべきだった。そうすれば『ついに朝日発狂www』とか、2ちゃんねるのまとめサイトあたりが絶対に食いついてきたはず。紙の新聞を買ってくれているじいさんばあさんに気を遣って穏健な紙面を作っているのかもしれないが、今のままだと確実に泥船。先細る高齢読者と心中する気なら別にかまわないですが」
紙の新聞に掲載されている首相動静をめぐり、国会で与党議員が「知る権利を超えている」と発言した。首相の予定さえも秘密にされかねない法律ができようとしている。本紙でもそのような危うい未来像について、社説を通じて警鐘を鳴らした。
10月30日付「朝日新聞」社説
「国防に必要とする法案の目的自体は否定しない。だが今の安倍首相の取り巻きの言動を見ていると、彼らに法の運用を委ねてしまっていいのか不安だ。また、たとえ法律を適用していなくても、法というのは『ただあるだけ』で十分な抑止力になる。今冬のコミケで、今どれほどの多くのエロ同人作家が悲痛の叫びをあげているかをよく知ってほしい」と、UK氏は訴えている。
また、法案成立後については、このように話す。
「まもなく法案が可決するようだが、今後の争点は安倍政権とインク業界との間に何らかの癒着構造があったのではないかということ。法案が成立したあとも、朝日新聞にはこの疑惑について追求してもらえることを大いに期待したい」
虚構新聞は検索サイトで「朝日新聞」と打ち込めば読むことができる。
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