共同通信が報じたところによると、長崎県五島市が、東シナ海にある「北岩」「中岩」「南岩」という三つの岩礁の名称を、それぞれ「北小島」「中小島」「南小島」に変更することを決定したという。「岩」を「島」に変更したのは、排他的経済水域(EEZ)設定の基点とするための措置だと考えられる。これらの岩礁は、五島市の福江島から60キロほど離れており、高さは最高で16メートル、面積は合わせて187平方メートルだ。
五島市は来月末までに、国土地理院に対し名称変更を申請する方針だ。国連海洋法条約によると、EEZの基点は「島」でなければならない。島として認められるためには、人が居住し、独自の生活や経済活動を維持できる状態でなければならない。このため、五島市が名勝を変更しようとしている岩礁は、島としての要件を満たしていない。だが、日本政府は名称変更を認め、EEZの基点としたい意向だ。
日本政府は2006年、韓国政府とEEZをめぐる交渉を行った当時、問題の岩礁の総称である「肥前鳥島」がEEZの基点だと主張したが、韓国は「島ではないため基点にはなり得ない」と反論していた。岩礁が島として認められた場合、日本のEEZは韓国側にやや広がることになる。韓日両国は1996年からEEZに関する交渉を行っているが、意見の隔たりが大きく、妥結には至っていない。
日本の国土地理院の地図では、問題の岩礁は現在「岩」と表記している。五島市側は今回の措置について「韓国や中国など外国の漁船が違法な操業を行っているのに加え、他国がいつ領有権を主張するか分からないため、それに備えるための措置だ」と主張している。