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【大リーグ】

ヤ軍、イチロー放出か? エルズベリー獲得で“余剰人員”

2013年12月5日 紙面から

 イチロー放出か? ヤンキースが今オフのFA市場で目玉選手の一人だったジャコビー・エルズベリー外野手(30)=レッドソックスからFA=と7年総額1億5300万ドル(約153億円)契約で合意した。3日に米複数メディアがこぞって報じた。契約規模は今オフで最長期間最高額。エルズベリーは盗塁王に3度輝くなど大リーグ屈指の俊足巧打で知られ、イチロー外野手(40)と“丸かぶり”。ヤ軍は他のFA外野手にも触手を伸ばしており、今後の推移次第とはいえ、最年長イチローがトレード放出される可能性も出てきた。

 ヤ軍にとってはマキャン捕手獲得に次ぐ、今オフ二つ目の“金星”だった。エルズベリーは今FA市場の優良株の一つ。俊足巧打に加え、守備も堅実。外野手を補強ポイントに掲げる球団が争奪戦を繰り広げていた。

 典型的な1番打者だが、中軸も任せられる中距離砲。広角に打ち分けられる点も魅力。ヤ軍からFAとなったカーティス・グランダーソン外野手(32)の退団がほぼ確実視される中、ヤ軍は懸案事項が一つ解消された格好となった。

 ヤ軍はこの日、既に契約合意に至っていたブライアン・マキャン捕手(29)とも正式契約。打線でアキレスけんとなっていた捕手に強打の男を迎え、来季の巻き返しに向けた準備はここまですこぶる順調だ。

 ただ、エルズベリーの加入は選手としての特長、ポジションがほぼ一緒のイチローにとっては“吉報”にはならない。トレードでの放出も現実味を帯びてきている。球団地元紙NYポスト(電子版)は以前からヤ軍の外野手過多を指摘。有力FA外野手獲得の場合、「ヤ軍はイチローのトレード先を模索することになるだろう」と伝えた。

 イチローは昨オフ、2年総額1300万ドル(約13億円)でヤ軍と再契約。来季も契約2年目で残留が基本線だが、エルズベリー獲得となると、事情も変わってくる。

 今季は出場150試合で打率2割6分2里、7本塁打、35打点、20盗塁。左投手が先発したときは右打者のウェルズが先発と選手起用がオーソドックスなジラルディ監督の下、出場機会が減ったこともあり、本塁打以外のほとんどの打撃関連項目で自己ワーストを記録した。

 同監督が選手として“旬”を迎えているエルズベリーと40歳のイチローをてんびんにかけて、イチローを厚遇することは考えにくく、来季は今季以上にベンチを温める試合が増える可能性が高い。守備範囲の広さ、肩の強さに限れば、イチローがエルズベリーより勝るが、守備固め要員に年俸6億5000万円はいかんせん高過ぎる。

 ヤ軍はハル・スタインブレナー共同オーナーの意向で、選手総年俸をぜいたく税が発生しない189億円以内に抑える方向にも進んでいる。少しでも節約と、イチローの年俸の半分を肩代わりしてでも他球団へトレードという流れは今後、十分にある。

 

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