Updated: Tokyo  2013/12/05 14:58  |  New York  2013/12/05 00:58  |  London  2013/12/05 05:58
 

トップ運用者の来年の選択-スペインは当然、日本ネット株も

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  12月5日(ブルームバーグ):S&P500種株価指数 は11月に過去最高値を更新したが、2014年に世界的な成長低迷が見込まれる中で、株価上昇は続くだろうか。一方、米金融当局が9月に予想に反して緩和策の縮小を見送ったことで、債券相場は打撃を受けた。債券投資家はどこにリターンを求めるべきなのか。

世界の一流ファンドマネジャーに、来年は米国や欧州、新興市場でどこに投資するつもりか質問した。いずれも投資信託を運用し、この3年または5年間でライバルの少なくとも90%を上回る成績を上げているファンドマネジャーだ。地雷を回避すれば、不振の新興市場より欧米で利益を上げる可能性が高いというのが彼らの見方だ。ブルームバーグ・マーケッツ誌1月号が報じた。

◎米LMMのファンドマネジャー、ビル・ミラー氏:「レッグ・メイソン・オポチュニティー・トラスト」(運用資産18億ドル:約1840億円)を運用し、12月3日までの1年間のリターンはプラス74%。

住宅建設株は上昇へ:多くの住宅建設会社の株価は2012年に2倍、3倍に上昇した。そのような年が過ぎた後はバリュエーション(株価評価)が追いつくに伴い、住宅建設株は横ばいまたは下落となるが、その後はアウトパフォームするのが普通だ。私は14年に米パルト・グループ が市場を上回るパフォーマンスを示すと予想している。

◎英T・ロウ・プライス・グループのファンドマネジャー、ディーン・テネレリ氏:「T・ロウ・プライス欧州株ファンド」(運用資産13億ドル)を運用し、12月3日までの3年間の平均年間リターンはプラス14%。

スペインは当然の選択:企業利益の回復がまだ始まっていないため、欧州市場には依然として多くの妙味がある。スペインはマクロ経済レベルで正しいことをしているため、当然の選択だ。一時は銀行60行以上が危機に陥っていたが、これが12行に減る見通しだ。スペインの銀行セクターは今後改善していくだろう。バンキアは問題のある銀行の一つだったが、不良資産の処理が進んだ。

◎米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)のダン・イバシン氏:「PIMCOインカム・ファンド」(運用資産290億ドル)を運用し、12月3日までの3年間の年間平均リターンはプラス11%。

MBSの神秘性を取り除け:政府保証のない住宅ローン担保証券(MBS)が14年に堅調なパフォーマンスを示すと予想している。MBSは複雑なため、その多くが依然として大幅に割安な水準で取引されている。多くの投資家は市場を適切に判断する手腕を持っていないが、それを持っていれば利益を得るチャンスを利用できる。政府保証のない米MBS市場は世界最大規模で、担保や構造が最も複雑であるものの、最大の投資機会も提供している。

◎米フィデリティ・インベストメンツのファンドマネジャー、ラジブ・カウル氏:「フィデリティ・セレクト・バイオテクノロジー・ポートフォリオ」(運用資産74億ドル)を運用し、12月3日までの3年間の年間平均リターンはプラス40%。

バイオテクノロジー・バブルに気を付けろ:5年にわたり高リターンが続いたが、現実を見失わないことが大切だ。バイオテクノロジー株は歴史的にバブルとその崩壊とを繰り返す傾向にあり、今はリスクについて考えることが本当に重要だ。現在バブルの状態にあると言っているわけではなく、どちらにも向かう可能性がある。そのため、今は正しい銘柄を選ばなければならない。単にバイオテクノロジー・セクターを買えば良いというわけではない。差別化が進み、勝ち組と負け組がより鮮明となるだろう。

◎米インベスコのファンドマネジャー、スティーブ・カオ氏:「インベスコ・アジア太平洋グロース・ファンド」(運用資産7億6800万ドル)を運用し、12月3日までの3年間の年間平均リターンはプラス7.1%。

アジアの小型株に注目せよ:インドネシアやインドなどアジアの一部新興国は赤字と通貨安の板挟みになっている。成長は鈍化しているものの、金利を引き上げて通貨安に対応する必要がある。われわれは特に中・小型株にチャンスがあるとみている。

◎米パスポート・キャピタルの創業者、ジョン・バーバンク氏:ヘッジファンド「グローバル・ストラテジー」(運用資産13億ドル)を運用し、2000年8月の設立から今年9月30日までの年間平均リターンはプラス19%。

テクノロジー株を重視せよ:テクノロジーなど最も技術革新が進んでいる分野は13年に過小評価されていたが、今後は重視されるだろう。われわれは米国と日本、中国の主要なインターネット企業の株式を選好している。米国を選んだのは技術革新の中心地で最大の市場であるためだ。中国は欧米企業にリードを許さない意向であること、日本は文化や言語が独特なことが選択の理由だ。

原題:U.S. Airlines to Mortgage-Backed Debt Top List of Best ’14Bets(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ニューヨーク Alexis Leondis aleondis@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:Larry Edelman ledelman3@bloomberg.net

更新日時: 2013/12/05 14:21 JST

 
 
 
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