ゴールドマンを富裕層の顧客が訴え-オプションで35億円損失か
12月4日(ブルームバーグ):米銀ゴールドマン・サックス・グループ の不当な勧誘によって、ブラジル・レアルと円のオプション取引で3430万ドル(約35億円)の損失を被ったとして、ウェルスマネジメント(富裕層向け資産運用)部門のシンガポール人の顧客が、同行を相手取りニューヨーク州裁判所で訴訟を起こした。
原告のオエイ・ホン・レオン氏は4日に裁判所に提出した訴状で、ゴールドマンが受託者の義務に違反して虚偽の説明と不当な勧誘を行い、不当な利益を得たと主張した。
オエイ氏は、この同じ損失をめぐってシンガポールの裁判所でもゴールドマンを提訴している。同行はシンガポールの裁判所に提出した7月のオエイ氏宛ての書簡で、不適切な行為や同氏を欺いた事実はないと否定。広報担当アンドリア・ラファエル氏は4日付の電子メールで、「訴えが事実無根だと確信しており、われわれの立場を主張して争うつもりだ」とコメントした。
ニューヨーク州裁判所への訴状によれば、オエイ氏(65)は、ゴールドマンが勧めた取引で損失を出した後、2011年に同行との取引関係をいったん解消した。しかし、ゲーリー・コーン社長とアジア責任者のデービッド・ライアン氏をはじめとする経営幹部らが12年4月にオエイ氏の元を訪れ、同氏の利害を第一に考えると約束したため、取引を再開した。
オエイ氏によると、同氏はゴールドマンのアジア債券・通貨・商品担当エグゼクティブディレクター、マッツ・デウィット氏を信頼し、日本円のブラジル・レアルに対する下落を見込んだ投資を行った。ゴールドマンは、レアルが米ドルに連動する流動性に富んだ安定通貨だと説明していたという。
原題:Goldman Sachs Sued by Singapore Client Over $34 MillionLoss (2)(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:シンガポール Andrea Tan atan17@bloomberg.net;New York State Supreme Court in Manhattan Chris Dolmetsch cdolmetsch@bloomberg.net
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更新日時: 2013/12/05 11:38 JST