自民、公明両与党は特定秘密保護法案について、5日午後の参院国家安全保障特別委員会で可決させる構えだ。安倍晋三首相が4日に設置を表明した秘密指定のチェック機関を巡り、与党側は5日午前、日本維新の会、みんなの党との修正協議で新たに第三者機関の設置を確認。維新は受け入れるか検討している。与党は同法案を会期末までに成立させるため、強引な国会運営を続けている。

 与党は午後に始まった特別委の審議を打ち切り、可決させる構えだ。自民党の一部は、その後に参院本会議を開き一気に可決・成立させる案も検討している。

 首相は4日の国会答弁で、特定秘密の指定・解除などをチェックする「保全監視委員会」(仮称)を内閣官房に設ける考えを明らかにした。

 しかし、「独立した公正な立場」の第三者機関を求める維新側が「内閣官房の組織ではダメだ」と反発。与党側は修正協議で新たに「法の施行までに内閣府に情報保全監察に関する機関を政令により設置する」案を示したが、維新側は「職員の体制がしっかりした『局』でなければダメだ」と注文。与党側は法案の修正が伴うため難色を示した。

 4党は確認文書を作ったが、維新側は「合意ではない」(藤井孝男・国会議員団総務会長)と主張。5日午後の特別委で菅義偉官房長官の答弁内容をみて受け入れるかどうか判断する。

 維新の橋下徹共同代表は5日、「第三者機関についてこれだけ政府として右往左往している。もう一回ここは仕切り直して詰め直した方がいいと思う。客観的に見て議論を終結する状況になっていない。機は熟していない」と会期内の採決に反対した。