2013年12月4日23時37分
■拉致被害者家族・蓮池透さん
拉致被害者の家族には政府機関から丁寧な状況説明がある、と思う人がいるかもしれませんが、実際は違います。捜査上や外交上の秘密を理由に、詳しい説明は家族でも受けられませんでした。
知りたいことがたくさんあります。2002年9月の小泉純一郎首相の電撃訪朝はどう実現したのか。被害者8人の「死亡」を北朝鮮の言うがままに受け入れてまで、なぜ日朝平壌宣言への署名を急いだのか。家族として知る権利があるし、隣国との歴史の一幕を正確に記録する意味でも説明が必要だと思います。
特定秘密保護法は、こうした情報を永遠に封印してしまうかもしれない。強い危惧を覚えます。一番心配するのは報道の萎縮です。政府から情報が得られない中で、新聞やテレビの報道は、家族にとって時に希望をつなぐ唯一無二の情報だったからです。
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朝日新聞官邸クラブ
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