日立製作所の中西宏明社長は3日、ワシントン市内で記者会見し、原子力発電事業について「日本の原発技術が途絶えるのは(エネルギー政策上の)打撃が非常に大きい」として、安倍政権に原発の継続を求めた。グループの北米事業の売上高を3~4割程度増やして1兆1000億円規模にする目標も表明した。
中西氏は「日本の原発再稼働に時間がかかることは米当局も理解している」と説明した。原発の基幹技術を持つのは日本、フランス、ロシアの3カ国に事実上絞られるとしたうえで「日本のエネルギー供給全体の構成を勘案すれば、むしろ原発の技術開発を進める重要性が問われている」と語り、原発継続への期待を表明した。
米ゼネラル・エレクトリック(GE)との原発合弁事業では、米電力大手ドミニオンでの採用が決まっている次世代沸騰水型軽水炉(BWR)の早期承認を目指す考えを示した。
オバマ米大統領は気候変動対策で石炭などの火力発電プラントへの温暖化ガス排出規制を大幅に強化する方針を表明。米火力事業の先行きに不透明感も強い。中西氏は日立が三菱重工業と事業統合する火力発電システム事業をテコに引き続き北米でのシェア拡大を進める意向を示した。米規制強化について「事業への深刻な打撃はない」と語った。
中国の防空識別権(ADIZ)に関しては「突発的な戦争が起こるリスクがある」と述べ、経済への悪影響に強い懸念を示した。仮に日中間で偶発的な軍事衝突が起きた場合は「地域で積み上げてきたビジネスのネットワークや資産が一気に凍結されかねない」と指摘。事態安定に向け関係当局の対応を求めた。
(ワシントン=矢沢俊樹)
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