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【政治】

「政府内に保全監視委」 「第三者」独立性ゼロ

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 安倍晋三首相は4日の参院特別委員会で、特定秘密保護法案をめぐり、特定秘密の指定に関して政府内に「保全監視委員会」を設置する考えを示した。「首相がチェック機関の役割を果たす第三者的機関」と役割を説明したが、政府内に設置することで、独立性や公平性は担保されない。法案を共同で修正した日本維新の会からでさえ、「第三者機関とは全く違う」と批判した。 (清水俊介)

 法案は政府の意のままに特定秘密が指定されることを防ぐため、第三者の検証機関設置が焦点となっている。付則には「検討する」としているだけだが、首相は委員会で唐突に「保全監視委員会」を設置すると表明した。

 首相によると、同委員会は「首相がチェック機関としての役割を果たすことに資する組織」との位置付け。法律ではなく閣議決定に基づき、内閣官房内に特定秘密を扱う省庁の次官級職員を中核に、官房長官や副長官を加えて構成する。

 首相や特定秘密を扱う省庁による組織では、独立性や公正性のある「第三者機関」といえないのは明白。しかも「指定解除の『状況』をチェックする」と述べたものの、焦点である指定の妥当性を検証するのかどうかは説明せず、不明のままだ。

 各党からは「過去に沖縄密約も隠してきた首相自らがなぜ第三者機関的にチェックできるのか」(共産)など批判が相次いだ。

 修正案提出者である日本維新の会の桜内文城衆院議員でさえ、保全監視委について、「独立した公正な立場で検証し、監察するものとは認められない」と酷評した。第三者機関の設置は維新の要請で追加されただけに「法案の付則を実質的に骨抜きにするような答弁が政府からなされてきたのは非常に残念だ」と怒りをみせた。

 

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