名古屋グランパスのGK楢崎正剛(37)が4日、今季最終戦の新潟戦(7日・東北電ス)を前に、去りゆく戦友への思いを口にした。新潟戦を最後にストイコビッチ監督は退任し、DF増川、田中隼、阿部もチームを離れる。楢崎は「勝利を贈りたい」。ピクシー体制のラストを勝って締めると語った。
グランパスの練習拠点・トヨタスポーツセンターにお別れムードが充満した。4日は平日だというのに約350人が詰め掛けた。普段の見学者は20〜30人だから、ざっと10倍。ほとんどのサポーターのお目当ては今季限りで退団するピクシーや選手たちだ。
常ならぬ空気に反応したのが主将の楢崎。「同じチームは永遠には続かない…。寂しいですね」。ポツリとこぼした。
毎年のようにメンバーが入れ替わるJリーグで、近年のグランパスは異質だった。10年に優勝を果たした主力は3年たっても不変。それだけに、増川、田中隼、阿部の同時退団は「驚きました」とショッキングな出来事だった。
「次戦は監督の最後というのもあるけど、一緒にやってきた選手もこれで最後。勝利を贈りたいですね」。昨年通算500試合出場を達成した際はチームメートに胴上げで祝福された。今度は楢崎が戦友の旅立ちを勝利で飾る番だ。
苦戦が続く中でも楢崎はチームの底力を信じてきた。「過去にも勝てなかった時期はあったけど、力は今のグランパスの方が上」。優勝メンバーで戦う最後の試合となる新潟戦。3年前の強さをあと一度だけ取り戻すため、楢崎は北国のピッチに立つ。 (木村尚公)
この記事を印刷する