UPDATE 1-米自動車販売、11月は6年半ぶり高水準 年末商戦狙った値引き奏功

2013年 12月 4日 09:26 JST
 
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* 11月の米自動車販売は8.9%増 年率換算1641万台 予想上回る

* 引き続きピックアップトラックが人気

* 各社が販促強化 1台当たり平均販売奨励金は2500ドル超える (内容を追加しました)

[デトロイト 3日 ロイター] - 主要自動車メーカーが発表した11月の米自動車販売は、大型のピックアップトラック人気が続いたことや、積極的な値下げが奏功して前年同月比8.9%増加し、6年半ぶりの高水準となった。

調査会社オートデータによると、11月の米自動車販売は年率換算1641万台。市場予想の1575万台を上回り2007年2月以来の高水準となった。

メーカー別では、首位がゼネラル・モーターズ(GM) 、2位フォード・モーター で、3位がトヨタ自動車 だった。

米国勢は軒並み増加。GMが14%増、フォードが7%増、伊フィアット 傘下のクライスラーは16%増でメーカー別で4位となった。

日本勢は、トヨタが10%、6位の日産自動車 が11%それぞれ増加。ホンダ は5位だったが、前年並みにとどまり、アナリスト予想を下回った。

米国勢の販売をけん引したのは、やはりピックアップ車。3社とも同部門の販売が2桁の伸びを記録し、クライスラーの「ラム」は22%増加した。

高級車部門では、独ダイムラー のメルセデスが独BMW に7600台以上の差をつけて首位を維持した。

各社とも、消費が盛り上がる感謝祭明けのブラックフライデーをにらみ、月後半に攻勢をかけた。トゥルーカー・ドットコムによると、1台当たりの平均販売奨励金は2500ドルを越えた。

独フォルクスワーゲン の米国法人幹部は、感謝祭の週末にかけて業界は「超積極的」だったとしている。

販売奨励金は、トヨタのカムリ、ホンダのアコードが含まれる中型セダンで特に手厚かったとされる。

中型車部門の業界シェアが前年同月から1%ポイント縮小したフォードは、円安が日本勢の値引きを支援したと指摘した。

ただ、シティのアナリストは、こうした積極的な値引きが一部投資家に規律の乱れを懸念させたと指摘。

3日の米株市場でGMは2.48%安、フォードも2.93%下落した。

各社幹部は、インタビューや電話会議で、業界が販売を伸ばすために奨励金に頼り過ぎているとの指摘に反論。

GMの北米部門トップは「今の業界は奨励金頼みでない」と主張した。   <貴重な教訓>

メーカー幹部やアナリストは、米国勢が法外な奨励金戦術を再びとることはないとみている。そうした不健全な慣行が、GMやクライスラーが米政府の救済を受ける事態になった一因だった。

かつてクライスラーの取締役を務めた、日産自動車 のフレッド・ディアス営業・マーケティング担当副社長は「私は、業界全体が2008年、09年に多くの貴重な教訓を学んだと考えている」と語った。その上で、今はメーカー各社が「在庫管理をきちんとしている」と述べた。

GMは、販売奨励金について、1─9月の平均車両価格に占める割合を10%前後に維持しており、規律をもって対応していると強調している。

月間自動車販売台数は、米経済の重要な指標とみなされている。自動車産業は、低金利や、「平均年齢」が11年以上という旧型車の買い替え需要を追い風に相対的に好調を保っている。

しかし、トゥルーカー・ドットコムのアナリスト、ジェシー・トプラク氏によると、一部投資家は、リセッション後の販売けん引役となっている買い替え需要が減退し、2015年から販売が失速するのではないかと懸念している。北米トヨタのジム・レンツ社長も前月、買い替え需要はいずれ減退するとの見通しを示している。

 *以下の関連記事もご覧ください。

〔表〕11月の米自動車販売台数、前年比8.9%増 年率1641万台

〔表〕米自動車販売台数トップ20車種(2013年11月単月と1─11月)

 
 
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