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【特定秘密保護法案】

「殺傷目的以外でもテロ」 拡大解釈に現実味

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 国民の「知る権利」を侵害する恐れがある特定秘密保護法案をめぐり、自民党の石破茂幹事長がブログで、市民団体らのデモ活動をテロとみなした。憲法が定める「表現の自由」に基づく市民の政治への訴えを犯罪と同一視する言葉が政権中枢から出たことで、法案が成立すれば国民の権利が抑圧されるとの懸念は現実味を増した。 (政治部取材班)

 石破氏は、安倍晋三首相を支える自民党ナンバー2の幹事長で、影響力は絶大だ。一日になって、デモを「テロ」と例えたブログの表現は撤回を表明したものの、抗議活動を危険視する姿勢までは改めなかった。

 法案では「テロ防止に関する情報」も特定秘密の対象としている。漏えいをめぐっては、漏らした公務員だけでなく、そそのかしたり扇動したりした市民も厳罰対象となる。

 法案の「テロ」の解釈について、森雅子内閣府特命担当相ら政府側は「人を殺傷し物を破壊するための活動」と説明している。

 だが、条文の解釈によっては、人を殺傷する目的がなくても「政治上その他の主義主張に基づき、国家もしくは他人に強要する」活動がテロとみなされる、と指摘する専門家は少なくない。石破氏の主張もこの解釈と同じで、テロの定義が拡大する恐れがある。

 森氏は法案について国会審議だけを担当しており、成立後の役割は決まっていない。法案成立後、政権の意向で森氏の説明が覆る可能性がないとは言い切れない。

 石破氏は講演で「周りの人が恐怖を感じるような音で訴えること」を批判した。「恐怖を感じた」という不明確な基準で、デモがテロ扱いされる解釈にもつながる。

 石破氏は、自分たちに向けられた平和的な方法による主張を「テロ」と切り捨てた。法案が成立すれば、原発反対のデモを含め市民の訴えを、政権が「テロ」とみなして監視し、取り締まりをしかねない。

 

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