JR東日本は27日、強風の影響で運休することが多い青森県下北半島の大湊線について、風の規制値を見直すことを明らかにした。速度を制限したり運転を中止したりする基準が緩和され、運休や遅れが大幅に減少するという。
同社青森支店によると、運転を中止する風速を現行の25メートル以上から30メートル以上に、速度規制が発生する風速を20メートルから25メートルに、それぞれ見直す。新しい規制値は30日から導入する予定。
同社の試算では、2012年度に延べ50日あった速度規制は23日に、延べ23日あった運転中止は4日に減る見通し。線路の傾斜を緩和し、カーブ進入時に減速することなどにより、運行の安全が確保できると判断した。
列車の風対策は、1986年の山陰線余部鉄橋事故や、05年の羽越線の特急脱線事故などを受けて強化されてきた。規制値見直しは、JR東日本盛岡支社管内では初めてという。
大湊線は、下北半島の陸奥湾沿いを走り、同県野辺地町とむつ市を結ぶ。強風の影響を受けやすく、沿線自治体などが運休や列車の遅れの解消を同社に働き掛けてきた。
青森支店の担当者は「バス代行輸送などで大湊線の利用者には不便をかけてきた。さらに利便性の向上に努めていきたい」と話した。