第二章スタートです
ようやく借金も返し終わり、マリアを含む数名の娼婦(唯一残っていた本当の娼婦)もすっぱり足を洗い、心機一転、新たな生活へと出発しようとしたのですが……
第二章:二度目の奇跡をこの手に(金稼ぎ編)
プロローグ
遠くの方から聞こえてくる女性たちのお喋りに、マリーはがりがりと寝癖だらけの頭を掻いた。
白銀色の艶やかな髪が見る影も無いそれは、まるで綿毛のように乱れている。しかし、思わず息を呑んでしまう程に整った顔立ちに添えられた、真紅の瞳のおかげだろうか。おおよそ女を感じさせないであろう姿にも関わらず、純真無垢な雰囲気を、マリーは醸し出していた。
しかし、己の容姿にはとんと無頓着なマリーは、手櫛で軽く髪を梳くだけで、特別寝癖を直そうとはしない。見た目は超が数個ほど上に着く程の美少女で、どんな美辞麗句を持ってしても表現出来ない美しさを持つマリーだが、性別は男なのだ。しっかりと、シンボルは付いているのである。
好き好んでこんな姿になった覚えはない、というのがマリーの正直な気持ちであったが、そんなマリーの気持ちは今の所、女性陣には伝わっていない。それどころか、女性陣からは『宝の持ち腐れだ』と揶揄される美しい髪をそのままに、マリーはのんびりと食堂へ足を動かしていた。
(……腹減った)
ぐう、とマリーの胃袋が音を立てた。寝ぼけた眼を涙で潤ませながら、マリーはとぼとぼと廊下を進む。女性陣から半強制的に譲り受けることになった白いネグリジェが、足の動きに合わせてふわりとなびく。
正直、最初は何でこんなものをと吐き捨てたい気持ちであったが、慣れたら意外と寝心地が良い。悔しいことに、今ではパジャマとして愛用してしまっていたりする。
角を曲がってすぐの、ラビアン・ローズ唯一の食堂(昼間は広間として活用している)に足を踏み入れる。途端、鼻腔をくすぐる焼けたベーコンの匂いに、マリーの眠気は少しばかり上塗りされた。
開かれたカーテンから降り注ぐ日差しが、食堂の中を照らしている。その中で、数人の女性が慌ただしく行き交いしていた。端に寄せられていた机が、食堂の中央に、横一列で並べられている。おそらく、女性陣が用意したのだろう。机の上に並べられた6つの大皿には、こん棒のように太くて細長いパンが置かれていた。ここしばらく、マリーを含むラビアン・ローズ住人の主食となっているものだ。
慣れれば、意外と美味い。そう庶民の間で称されているそれは、遠目からでも堅そうなのがうっすらと想像できる見た目のソレだが、大きさの割には安い。芋よりも少し値が張るが、それでも安い、金が無い時の心強い味方だ。
『食事は極力全員で取るべし』というマリアの方針の元、住人全員分の食器を用意しているサララとマリアの後ろ姿が、食堂の奥にあるのが見えた。シャラの姿が見られない。別の仕事をしているのだろうか?
「あ、おはよう、マリー君。今日は早いのね」
掛けられた挨拶に、マリーはそちらへ振り返った。そこには、少し薄汚れたエプロンを身に纏ったエイミー・クリストンの姿があった。見ているだけでほんわかと和んでしまう、温和な顔立ちの彼女は、穏やかに笑みを浮かべて、マリーへとそっと屈んだ。
「朝食までもうすぐだから、席に座って待っていて貰えないかしら?」
ねっ、と小首を傾けるエイミーのポニーテールと、エプロン越しでも分かる大きな膨らみが、ふわりと揺れた。ちらり、ちらりと視線を上下させたマリーは、一つ頷くと、手を振りながらエイミーの横を通り過ぎた。
(相変わらず、エイミーは胸でけぇな……あの谷間に一度でもいいから顔を突っ込んでみたいぜ……)
朝っぱらから卑猥なことを考えるマリーであるが、これが平常運転なので、顔に出るようなことは無い。以前住んでいた家を引き払い、女の園であるラビアン・ローズに居を移してから、数十日。最初は女性陣の明け透けな姿にドギマギすることもあったが、さすがに数十日も共に生活すれば、慣れる。慣れてしまっている己に、人間とは適応できる動物なんだな、とマリーは時々考える。
「――っ、おはよう、マリー!」
「おはよう、マリー君」
よっこらせ、と椅子に腰を下ろしたマリーに、サララとマリアが声を掛けた。「はいよ」と返事をしたマリーは、テーブルに頬杖をつけると、大きく欠伸を零した。ちらちらとサララから送られてくる視線の合図に手を振って答えながら、マリーは食堂入口へと視線を向ける。フッと、と通り過ぎて行く、上半身裸の住人や、下着姿の住人を前に、マリーは深々とため息を吐いた。
マリーが嫌でも慣れてしまう原因は、今しがた視線の先を通った女性陣の、羞恥心など欠片も無い姿であった。いくら何でも、あんな色気も糞も無い所作で毎日堂々とされては、立つものも立たなくなっても仕方がないだろう。
館の構造上、一階の正面玄関向かって一番左奥……そこが、この館のトイレと洗面所スペースとなっている。いちおう、トイレと洗面台は大浴場内に隣接して設置されている脱衣所にも用意されているが、現在では掃除の手間を減らすために、よほどの理由が無い限り使用を禁止されている。
なので、必然的にトイレや洗面所を利用する人は、食堂の前を通らなければならないのだが……問題は、そこを通る時の恰好である。身体を拭く為なのか、それとも終わってから着替えるつもりなのか、マリーは知らない。女所帯だからというべきかなのか……ここの住人は、マリーを前にしても全く隠そうとしないのである。
胸元を開けているとか、無防備な姿を晒しているとか、そんなチャチな話では無い。上半身下着姿は序の口、上下とも下着姿で挨拶されたことは数知れず。4回ぐらい、首にタオルを掛けただけの裸身をマリーに晒したまま、のんきに横を通り過ぎて行ったときは、さすがにマリーも開いた口が塞がらなかった。
手を出すつもりなどマリーは全く考えていないし、色々言いたいことはあっても、結局は眼福であることに変わりはないのだが……正直、男としては色々な意味で複雑な気分になる。
(……マリアの審査を通っただけあって、全員美人なんだが……ここのやつら、相も変わらず全く俺を男扱いしていねえなあ……まあ、見た目完全に女の子なんだから、男扱いしないのも当然か)
ぼんやりと考えているマリーの視線の先で、上にシャツ一枚、下はパンツ一枚という、なかなか目のやりどころに困る恰好をした女性が、食堂入口の前をフッと通り過ぎて行った。
朝食を終え、いつもなら仕事に向かう為に慌ただしく席から立ち上がるであろう幾人かの女性たちが、今日は一向に食堂を出ようとしない。それどころか、どこか落ち着かない様子すら伺える。
(……今日は休みだったか?)
まあ、休みが有るのは良いことだ。休めるときに休んでおかないと、いざという時動けないからな。そう納得して、今日の予定をぼんやりと頭の中で組み立てていたマリーの眼前に、一枚の紙きれが置かれた。マリーが視線をあげると、マリアの真剣な眼差しと視線が交差した。
「今後の事について話し合いたいと思うから、ちょっとそれに目を通してくれないかしら」
言われるがまま、マリーは視線を紙切れに下ろす。マリアの綺麗な字で書かれたそれには、十数行に及ぶ文字と、ひと際大きい文字が書かれていた。
無言のまま、マリーは書かれている文字へと視線を這わし……内容に、げんなりと肩を落とすと、そっと紙切れをマリアへ返す。そして、改めて周囲を見回し……全員の視線が己に集まっていることを確認し、マリーはため息を吐いた。
「まあ、言いたいことは分かった。兎にも角にも、まだまだ金が必要ってことだな。それも、早急に、かつ、安定的に」
マリーの言葉に、マリアは深々と頷いた。
「早急、の部分は、今の所マリー君とサララのおかげで何とかなっているわ。問題なのは、それをいかにして安定的にするか……マリー君もそれを見て分かったと思うけど、今は収入がそのまま支出になっているのが現状。少しは余裕があるけど、なかなか危うい経済事情になっているわ」
厳しい現実を知らせるマリアの言葉に、食後の和やかの空気が引き締まった。朝食を取った時と同じ席…ちょうど、向かい合う形となった住人達は、互いの顔色を見回す。けれども、誰も彼もが悲観的な表情を浮かべておらず、それどころか中には笑みすら浮かべている人すらいた。
それも、そうだろう。彼女たちにとっての危機とは、莫大な借金を抱えていたときのことだ。今も経済的には危うい状態だが、三食しっかり食べられるし、昼夜を問わず行われた嫌がらせなんかも、今は無い。スタートラインが-ラインの彼方と、真ん中よりも少し下ぐらいの位置とでは、精神に掛かる重圧は雲泥の差なのである。
「そこで、みんなの知恵を借りたいと思うの。今日、仕事だった人や、休みだった人はごめんなさい。私が不甲斐ないばかりに……」
「何を言っているの、マリア。こんな時こそ、皆で力を合わせなくてどうするのよ」
瞳を伏せるマリアの肩を、藤堂沙耶は優しく叩いた。小さめな顔に合わせた控えめな体格と、腰のあたりにまで伸ばした黒い長髪が特徴の、物静かな美人である。
彼女は、マリアと同じく客を取っていた娼婦の内の一人であり、単純な売り上げではマリア以上であった、娼婦館ラビアン・ローズの、実質No.2の人気を誇っていた女性である。と、いっても、それはあくまで客からの人気が二番目であるというわけで、序列があるというわけではない。
彼女は先天性の体質が原因で娼婦となったが、元来身体が強い方では無いうえに、限界以上に客を取っていたこともあって、借金の返済を終えたというマリアの朗報を聞いた直後に昏倒し、つい先日まで寝込んでいた。一時は最悪を危ぶまれる程に消耗していた彼女であったが、今ではすっかり快方へと向かっており、顔色も良くなってきている。
「私もだいぶ調子が戻って来たし、これからはまた力になれる。また、皆で頑張ればいいじゃない」
「沙耶……」
マリアの瞳に、こんもりと涙が滲む。最近涙もろくなったと口にしていたマリアであるが、どうやら今日も涙腺が脆いようだ。同じく目じりに涙を浮かべた沙耶に続き、つられて涙を滲ませていた幾人かの住人たちも、声を張り上げた。
「そうよ、これからは、マリア一人に押し付けたりしないわ!」
「みんな……」
ポロリと、マリアの目じりから、ひとすじの涙が零れる。「ありがとう、私、頑張るわ!」と腕を振り上げて決意を固めているマリアと、それに追随する仲間たちという、住人達の手による寸劇を前に(数字の先端に、棒を一個足したら物事が解決しないかなあ)とか考えていたマリーは、胡乱げにため息を吐いた。
「こらっ」
途端、マリーの背後……寝癖の付いた銀白色の長髪を櫛で梳いていたエイミーは、「めっ」と櫛の柄で、マリーの頭を軽く小突いた。少し、痛かった。
「マリー君、動いちゃ駄目。もう少しで終わるから、大人しくしていてね」
そう言うと、エイミーは身に纏ったエプロンのポケットから、枝の細かい櫛を新たに取り出して、慣れた手つきで髪を整えていく。何が楽しいのか、ふんふん、と鼻歌を奏でているのを聞いたマリーは、エイミーの邪魔をしないよう、ゆっくりとテーブルに頬杖をついた。
「……別に、そこまで頑張らなくてもいいぞ」
「だーめ」
髪型を整える面倒くささは、自身のマリーが一番身に沁みて理解している。なので、せめて少しぐらいは楽をしてもらおうと提案を持ちかけたのだが、それはエイミーの朗らかな笑みと共に一蹴された。
「せっかく綺麗な髪質なのに、雑に手入れするなんて勿体無いわ。磨けば磨いた分だけ輝くんですから、磨ける内に磨いた方が絶対いいわよ」
そういうもんなんだろうか。そう思って意識を背後から、隣の席にて腰を下ろしているサララへと移す。ぼんやりとマリーを見つめていたサララは、マリーの視線に軽く首を傾げた後、一つ、頷いた。
「汚いよりも、綺麗な方がいい。綺麗になれるなら、綺麗になっておくに越したことは無い。これ、真理」
「……なるほど、それは確かだ」
チラリと、サララはエイミーへと視線を向けた。テーブルに隠れて見難いが、サララの膝の上に、いやに可愛らしい服が畳んで置かれているのが見える。サララが着るだろうかと思って見ていると、視線に気づいたサララがポツリと呟いた。
「マリーに、良く似合うと思う」
……なんとも、反応に困る一言だ。思わず顔をあげた直後に「こら、急に頭を動かさない!」と叱責が飛んだので、渋々大人しくする。サララの力強い眼差しが、己の全身を舐め回すように行き来しているのが、マリーには分かった。
「……まあ、似合うとは俺も思うぞ」
とりあえず、それだけをサララに伝えると、マリーは改めてマリアへと視線を向ける。さすがにもう寸劇は終わっているようで、マリアも落ち着いて目元を拭っているようであった。
「それで、もう何か案は出ているのか? 先に言っておくが、俺にそういった名案を期待するのは止めた方がいいぞ。自分で言うのも何だが、そういう難しいことを考えるのは柄じゃないからな」
「ああ、それはいいわよ。マリー君はそういう細かいこと考えるの、好きじゃないことは知っているもの」
「……それじゃあ、結論出るまで俺は部屋に戻って寝ていていいかな?」
にっこりと、万人を虜にしてしまいそうな、可愛らしい笑みを浮かべて提案する。それを聞いたマリアは、一つ頷いた後、静かに笑みを浮かべた。マリーと同じく、万人を虜にしてしまいそうな美しい笑顔だ。見つめられるだけで、思わず背筋が震えあがりそうで、マリーもマリアに倣ってにっこりと笑みを深めると、背筋を正す。
……マリアは、ふう、と息をつくと、両手を打ち鳴らした。ぱんぱん、と響いた拍手に、全員の注目が集まったのを確認したマリアは、はい、と片手をあげた。
「それじゃあ、これから『第一回、ラビアン・ローズ運営対策会議』を行いたいと思います。議長は私、マリア・トルバーナが努めたいと思います」
そう言ったマリアが頭を下げると、マリーを除く全員が、一斉にマリアへ拍手を送った。(どうも、こういうノリは駄目だな)たった今まで髪を梳いていたエイミーまで、手を止めて拍手をしているのを見て、マリーは苦笑する。
拍手するべきか、否か。どちらを選ぶべきかマリーが悩んでいると、拍手が止んだ。どうやら、タイミングを逃したようだ。再開された櫛の感触に意識を向けながら、マリーは何食わぬ顔でマリアを見つめることにした。
「今回の議題は、『館を維持する為に必要な資金を、如何に安定的、かつ長期的に手に入れる為に』です。ビシバシ意見を出してください。質問もビシバシ出してください。遠慮は一切無用です!」
マリアの力強い宣言に、ざわっと、にわかに女性陣の間が騒がしくなる。ポツポツと囁く声が聞こえてくるのは、おそらく何を質問するべきか、隣の女性と意見を交換しているからなのだろう。
それを話せよ。
……という言葉が喉元まで出かかっていたマリーであったが、とりあえずは成り行きを見守ることにした。(どうせ、その内誰か手をあげるだろう)そうマリーが1人思っていると、案の定、女性陣の中で、ひと際背の高い女性が、スッと手をあげた。
「議長、質問です」
「あら、最初はアナタなの、ビルギット?」
ビルギットと呼ばれた女性は、無言のままに頷いた。本名、ビルギット・リンドマン。彼女もマリアや沙耶と同じく、最後まで娼婦で居続けた内の一人である。
シャラと並ぶぐらいの長身で、色々と要所が恵まれている女性である。些か乱雑に切り揃えられたショートカットの下は、無表情で固定されていて、いまいち感情が読み取れない。この館に来てから数十日になるマリーだが、まだ一度も笑った顔はおろか、微笑んだ顔すら見たことが無いという筋金入りの鉄面皮である。
そんな彼女が、真っ先に手を上げたことに、少しだけざわめきが大きくなった……が、マリアの咳払いによって、瞬く間に静まる。それを確認したのか、ビルギットはポツポツと口を開いた。
「館の維持費とは、つまり、私たちが使う諸々の光熱費とか、税金とかですか?」
ビルギットの質問に、マリアはう~ん、と首を傾げた。
「……そうね、だいたいそんなところかしら。光熱費は皆で我慢すればどうにかなるけど、税金関係はもうかなり延滞してもらっているから、そろそろ払わないと問題になるわね」
なるほど、と言わんばかりに、ビルギットは頷く。しかし、すぐに首を傾げた
「それならば、事情を説明して分割で払えば済む話じゃないのでしょうか? わざわざそんな危ない橋を渡らなくとも、ここにいる全員が協力すれば、時間は掛かりますが、かならず支払い終えると思うのですが……」
ビルギットの言葉に、マリアはう~ん、と唸った。今度は先ほど以上に眉根をしかめ、思い悩むように顎に手を当てる。自然と全員の視線がマリアへと向けられた。
「……実はね、私を含めて沙耶やビルギットたちが娼婦を辞めたことで、一つ問題が生じているの」
「もったいぶらずに教えてください」
遠慮も糞も無いズバッとした切り込みに、マリアは呻き声と共に胸を押さえた。ぷよん、と歪に形を変える衣服越しの膨らみに、マリーの視線が吸い寄せられる。
けれども、この場に居るのはマリーを除いたら全員女性だ。しかも、年月の差こそあれ、基本的に付き合いは長い。今更、マリアの可愛らしい仕草に絆されるわけがない。
「……男相手になら、まだ通用するでしょうけど、女である私たちにそれをやっても意味が無いのではないでしょうか?」
演技であることをあっという間に見抜かれたマリアは、「もう、ちょっとしたお茶目じゃない……」と軽く唇を尖らせると、言いづらそうに住人達から視線を逸らした。
「……その、ね。さっき私が口にした税金関係なんだけども……」
「……それが?」
言いよどむマリアの姿に、ビルギットは首を傾げる。マリアは、もじもじと指遊びをしながら、口を開いた。
「今までは借金があったから待っていてもらえたけど、返し終わったでしょ? 実は、溜まっていた税金を払えって催促状が届いちゃっているのよ」
「……はあ?」
それと、これと、何の関係があるのだろうか。そう言いたげに困惑するビルギットと、住人達の視線を前に、マリアはおそるおそる顔をあげた。
「まとまった額を払わないと、この館が差し押さえられちゃうのよ。しかも、滞納者は私っていうことになっているから、払えなかった場合、下手したらまた娼婦として働かなくちゃならない……っていう可能性が出てきちゃったってわけ」
ごめんね、今まで黙っていて。そう最後に言ったマリアは、視線を逸らして縮こまってしまった。そして、女性人たちは……またか、と言わんばかりに顔を手で覆った。
一難去って、また一難
まだまだラビアン・ローズの苦境は続きます
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