桜塚やっくん事故死:現場カーブをカラー化へ 運転の難所

毎日新聞 2013年12月04日 08時00分(最終更新 12月04日 09時40分)

カラー化の方針が決まった事故現場の急カーブ付近=山口県美祢市の中国道下り線で、安達一成撮影
カラー化の方針が決まった事故現場の急カーブ付近=山口県美祢市の中国道下り線で、安達一成撮影

 山口県美祢(みね)市の中国道下り線で今年10月、タレントの桜塚やっくんこと斎藤恭央(やすお)さん(当時37歳)ら2人が死亡、2人が負傷した事故を受け、道路を管理する西日本高速道路(NEXCO西日本)は3日、現場の道路をカラー化する方針を固めた。注意喚起のためで、2014年度にも実施する。5日で事故から2カ月。桜塚さんの遺族も「注意を呼びかけるためにも良い方法だと思う」と話す。

 NEXCO西日本中国支社などによると、現場は半径350メートルの急カーブに加え、下り勾配5%。直前にも急カーブが続くなど、運転上の難所とされる。12年度にはカーブを曲がりきれず側壁に衝突するなどの事故が16件あり、現場で起きた事故は10年度4件、11年度14件と増加傾向だった。現場の中央分離帯には車体がこすったような跡がいくつも残る。

 同支社は過去にも現場周辺にカーブを示す反射材を設置し、速度抑制を呼びかける看板を立てるなどしてドライバーの注意を促してきたが、今回の事故を受け、改めて県警と協議。「2人の死を教訓として、運転者にカーブの危険性をさらに伝えたい」と、事故現場の道路を前後計400メートルにわたり、中央線などの白線を反射材入りとしたうえで路面を黄色に塗装する方針を決めた。冬季は降雪などで工事が難しいため来年度にも実施する。

 桜塚さんが亡くなった事故は10月5日午後4時50分ごろ、美祢市東厚保(ひがしあつ)町の中国道下り線で発生。桜塚さん運転のワゴン車が中央分離帯に衝突し、車外に出た桜塚さんと、同乗していたマネジャーの砂守孝多郎さん(同55歳)の2人が、後続車にはねられ死亡した。同乗していた2人も胸などを打つ軽傷を負った。

 桜塚さんの父・充さん(62)=横浜市鶴見区=は「運転する人が気をつけることで(事故死した)2人のことを忘れないことにもつながる。同じようなカーブで事故が起こらないためにも、カラー化が広がれば」と話している。【吉川雄策】

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