ぜんそく患者の医療費助成 東京都が見直しへ12月4日 4時25分
東京大気汚染訴訟の和解をきっかけに創設されたぜんそく患者の医療費を全額助成する制度について東京都は、国などが制度の継続に向け新たな財源の負担に応じない意向を示していることから、都だけが医療費の3分の1を助成する制度に見直していく方向で検討していることが分かりました。
東京大気汚染訴訟では、都内全域のぜんそく患者に対して国や東京都、自動車メーカーなどが合わせて200億円の財源を分担して医療費を全額助成する制度を創設することを柱に平成19年に和解が成立し、これまで7万5000人以上の患者が医療費の助成を受けています。
この制度は5年が経過した段階で見直されることになっていて都が、国や自動車メーカーなどに新たな財源の分担を求めてきましたが、先月までに国とメーカーは応じない意向を示しました。
このため東京都は現在の制度をそのまま維持するのは難しいとして、医療費の助成に使われる財源が無くなる見込みの再来年3月末で新規の患者の受け付けをやめ、それまでに認定された患者を対象に都だけで医療費の3分の1を助成する制度に見直していく方向で検討していることが分かりました。
ただ患者への影響を考慮した経過措置として制度の見直しから3年間は東京都が医療費を全額助成する案も検討しているということです。
東京都は今後、患者団体に制度の見直しについて説明し、理解を求めるとともに引き続き、国などに財源を拠出するよう求めていくことにしています。
東京大気汚染訴訟とは
東京大気汚染訴訟は東京のぜんそく患者などが平成8年に車の排気ガスによる大気汚染で被害を受けたとして国や東京都、自動車メーカーなどに対して損害賠償などを求めていた裁判です。
裁判は、訴えから11年がたった平成19年、東京高等裁判所の勧告を受けて都が独自に医療費を全額助成する制度を創設するほか、自動車メーカーが12億円の解決一時金を支払うことなどを柱に和解が成立しています。
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