南アフリカW杯による中断が明けた初戦の注目は、闘莉王の動向だった。W杯を終えて、父親の病気を理由にブラジルに帰省。日本に戻ったのは試合2日前だった。闘莉王は体調不良でベンチスタートを希望したが、ピクシー監督は試合当日、先発を決めた。
誤算はあった。前半に退場者が出て、45分をメドにしていた闘莉王を後半も使い続けた。0−0の後半31分、闘莉王が相手ボールを奪ってクロスを入れると、ケネディが決勝点。チームづくりのポイントの一つに「中心選手との良好な関係」を挙げていた監督は、選手の意向を聞きつつも、妥協はしなかった。闘莉王の超人的な活躍を演出したのは、監督の決断だった。