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【格闘技】

亀田大毅 負けても王座そのまま

2013年12月4日 紙面から

◇IBF世界スーパーフライ級

ソリスに敗れ、ぼうぜんとする亀田大毅(中)=ボディメーカーコロシアムで(横田信哉撮影)

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 亀田大毅(24)=亀田=の2団体王座統一はならなかった。亀田3兄弟の次男でIBF世界スーパーフライ級王者の大毅は、前日の計量で体重超過により王座を剥奪された前WBAスーパーフライ級王者リボリオ・ソリス(31)=ベネズエラ=に1−2の判定で敗れた。ただ、前日は「大毅が負けたらIBF王座から転落」とされていたが、一転して王座を失わないことが発表された。亀田3兄弟の末弟のWBO世界バンタム級王者・亀田和毅(22)=亀田=、IBF世界ミニマム級王者・高山勝成(30)=仲里=は、いずれも判定勝ちで初防衛に成功した。

 最後まで釈然としない試合だった。「勝者 青コーナー…、ソリス!」。ソリスの名がコールされると、会場は異様などよめきに包まれた。大毅はIBF王座から転落したのか? 観客も、テレビで見ていたボクシングファンも、おそらくそう思ったはずだ。前日、ソリスが体重超過でWBA王座を失った。同時に、IBFは「相手が体重超過でも、大毅は負けたら王座から陥落する」と明言していたからだ。

 ところが、試合後、タッカー立会人はIBFルールを持ち出し「ルールでは相手が体重超過の場合、王者は勝っても負けても王座を保持すると書いてある。従って、亀田大毅は負けたけれど、王座を防衛し、王者のままだ」と言い出した。これにより、大毅はWBA王座を奪えなかったが、IBF王座は守った。それなら、前日の発言は何だったのか、大毅は本当に王者のままなのか…。報道陣の間でも混乱が生じた。

 大毅はこの日朝、IBFから課せられる当日計量でリミット内の3・9キロ増(ルールでは4・5キロ増なら失格)の56キロでパス。一方、前日計量で失格となり、WBA王座を剥奪されたソリスに当日計量は課せられず、飲み放題、食い放題。試合直前の健康チェックでは、前日から驚異の6キロ以上増となる59・5キロ。両者とも増えた体重で言えば、大毅は2階級上と対戦したようなものだ。リングに上がったソリスは顔がむくみ、体はたるみきっていた。

 しかも、ゴングが鳴ると、たらふく食ってエネルギー満タンだったからか、それとも王座を剥奪されてやけっぱちだったからか、あるいはせめてもの前王者のプライドを見せたかったからか、好戦的な姿勢を崩さず、時に後頭部を殴打するなどラフファイトすら仕掛けてきた。逆に大毅の動きは鉛でも背負っているように重く、手数でも有効打でもソリスが上回った。

 ドタバタ劇ではあるが、大毅は初防衛に成功したことになるという。本人は試合後、ノーコメントだった。 (竹下陽二)

 

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