日本には、沸騰水型(Bowiling Water Reactor)と加圧水型(Pressured Water Reactor)の二種類があります。
導入時に、いずれかの型の原子炉に重大な過誤があったとしても、全部の原子力発電所がとまらないよう2つに分けたという噂です。
沸騰水型採用電力 ◎東京電力、中部電力、中国電力、東北電力、北陸電力
加圧水型採用電力 ◎関西電力、四国電力、北海道電力
日本は、沸騰水型を採用しているところが多いのですが、世界の主流は加圧水型です。原子炉の安全性としては、沸騰水型の方が優れていると言われていますが、コスト面ではタービンなどの発電設備の放射能管理が不必要な加圧水型が優位と言えます。
いずれの型も炉心関係の重要な設備は、耐震関係もしっかりしており、また定期的(週1回以上)の起動試験を行っていますので、いざ動かそうと思った場合に、実は燃料がなかったなんていう間抜けなことはありません。
おそらく、地震直後には、
東京電力福島第一原子力発電所および第二発電所では、○○号機が運転中でしたが、地震を自動感知したため、スクラム(自動停止)いたしました。なお、環境中の放射能汚染はありません
といった定例文を作成して、プレス発表していたと思います(想像です)
その後、30分足らずで押し寄せた津波で、全てが一変しました。
・事務所の停電
・発電所の停電
・自動起動で電気が復旧したとたんに再度停電
・非常用発電機の喪失
・モニタリングの消失
がとりあえず、わかること。この段階では東京電力では、何が何だかわかりません。ただ、想定外事象が起きたと感じるだけだったでしょう。
その頃、東京電力本店(東京)では、隣接する相馬市に7.5メートルを超える津波が押し寄せたと言う報道で、全てを理解。
その後、電源車の手配などやることは全てやっていると思います。
では、なぜ炉心の冷却が復旧しないのか。
・非常用発電機は、同時に全て水没。使い物にならない。
・熱を最終的に逃す海水設備の熱交換機・ポンプが流出?
ではないでしょうか?仮に電気が確保されていたとしても、回すポンプがないのですから・・・
医院の状況に置き換えると、2階においてあった非常用発電機、データはあるのに、肝心のパソコンがないといった感じでしょうか。
女川町は、なぜ大丈夫だったか。
こう言ったことをNHKなどで解説してもらいたいです。
一言で言えば、津波の被害がなかったからです。非常用炉心設備、非常用発電機その他全て健全性が保たれているという状態でしょう。おそらく、ちょっとした高台に発電所があったからでしょう。(あとは、湾の構造なども関係すると思いますが、このあたりについては専門外なのでわかりません)津波が押し寄せる前の福島の状況だと思います。(所外電源喪失のみだと思われます)
2011年03月14日
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電力が何系統有るかまでは、記憶しておりません。
今回は電力があっても、設備がありませんので、かりにECCS系の発電機が生きていたとしても、状況はほとんど変わらないと思われます。
実はこの発電所の内部および海側の映像は一切公開されていません。唯一、海外のメディアで衛星写真が公開されているのみです。
http://www.abc.net.au/news/events/japan-quake-2011/beforeafter.htm
これをみると原子炉建屋とその海側のタービン建屋でしょうか?、それ以外は一切きれいさっぱり津波で流失していることがわかります。おそらく恐ろしくて国民にはこの姿を公開できないのではないかと推察しています。
先生のおっしゃるように、1)非常用発電機は、同時に全て水没。使い物にならない。2)熱を最終的に逃す海水設備の熱交換機・ポンプが流失。という状況ではないかと思われますが、海水で冷却するのは良いとして、冷却水の循環系統が保たれていないと、いずれ炉内の温度が再上昇するのではないでしょうか?
このあたりを心配しています。
門外漢の質問で申し訳ございません。それにしても、もう少し情報公開して欲しいものだと思います。
申し訳ないのですが、第一原子力発電所の配置はよく知らないのです。おそらく海水循環ポンプなどは壊滅しているようではありますが、取水装置の前や横にある建物は設備ではありません。
海水側にあるタービン建屋に飛び出る感じで海側についている設備が海水熱交換器建屋ではないでしょうか。
先生ご指摘のとおり、「冷却水の循環系統が保たれていないと、いずれ炉内の温度が再上昇するのではないでしょうか」
です。今は、気化熱として処理していると思われます。
クリアカットにご回答いただき、理解がいっそう深まりました。
先生のエントリーにありますように、福島第二では熱交換器が健在であり、福島第一では全ての原子炉で熱交換器が破壊されていると考えて良いように思いました。報道による情報からもそれがうかがわれます。
非常用の消火用配管から圧力容器に海水を注入して冷却していると思われますが、先生のご指摘通り気化熱による冷却ですから、圧力容器の内には水蒸気が充満し、内圧が高まって思うように注水が進んでいないのではないかと推察しています。
おそらくは、減圧バルブを適宜開いて、水蒸気を圧力容器外へ逃がして圧力を下げ、再び注水するということ繰り返しているのではないでしょうか? 燃料棒を完全に覆うほど海水を注入できていないこともこれで説明がつくように思われます。
だとするとかなり綱渡り的な冷却になっているはずで、今後の推移には最大限の注意が必要ではないかと感じました。
なんとかうまく冷却が進んで欲しいとこころより祈っております。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103130092.html
女川には23メートルの津波が押し寄せ、町一つ海に沈みました。町役場も女川駅も線路や列車さえも津波の勢いで破壊されました。女川町は壊滅状態です。一説には50メートルを越したと言われます。
>
>一言で言えば、津波の被害がなかったからです。
↑
この一文は取り消していただきたいと思います。
女川原発が事故を起こさなかったのは、津波を想定して、建物が強固か、敷地が有利だったか、何か別の原因があるはずです。
50メートルを超える津波ですか・・・
海水系の建物は、今まで非常に軽視して設計されています。女川だけが、強固に作られていることは、絶対にありません。
敷地が海抜から高く、湾の入り口にあったことが幸いし、津波の被害がなかったのでしょう。
本文の下記記述のとおりです。
おそらく、ちょっとした高台に発電所があったからでしょう。(あとは、湾の構造なども関係すると思いますが、このあたりについては専門外なのでわかりません)
ほんとうにほんとうに安堵しております。
たまたま仕事で父が女川原発にいました。
立っていられないほどの揺れ、地面が揺れみるみるひびが入る様を観たそうです。
話によりますと、津波による振動や衝撃はなかったそうですが波は入ってきた話は聞いたそうです。
でも大騒ぎではなかったそうです。
敷地外に避難を言われたりはしなかったので「もれてないんだな」と思い全員で事務所に避難して、大津警報解除まで敷地内から出ないように言われたそうです。
近隣の住民の方も敷地内にある体育館に避難してきたそうです。