E-girlsはアイドルか、パフォーマーか? JPOP界で独自のポジションを築きつつある理由
リアルサウンド 11月27日(水)18時2分配信
|
Flower『白雪姫』(SMAR) |
E-girlsの紅白出場が決定し、改めて同グループに注目が集まっている。E-girlsは、EXILEのHIROが代表を務める芸能プロダクション、LDH所属の女性グループらで構成されたプロジェクト。Dream、Happiness、Flowerという3つのグループに、9人の女性パフォーマーを加えた、総勢29名の大所帯だ。EXILEの妹分ということもあり、キレのある本格的なダンスパフォーマンスと、高い歌唱力に定評がある。個性的なメンバーも多く、ファッション誌の専属モデルや女優、バラエティタレントなどとして活躍するものもいる。
今年の紅白は、アイドルブームの影響から多くの女性グループが候補としてひしめき、その出場枠は激戦区となっていた。そんな中、E-girlsはモーニング娘。や乃木坂46などを抑えて出場を果たしたため、アイドルファンの間で話題となっていた。
そもそもE-girlsは、多くのアイドルファンにとって「アイドルか、否か」という点で、意見が分かれる存在だという。その理由を音楽雑誌編集者に訊いた。
「E-girlsはEXILEの流れを汲んでいるだけあり、基本的にはアイドル的な打ち出し方をしていません。EXILEはソウルやヒップホップなどのブラック・ミュージックをポップに昇華したアーティスト路線で、男女問わずにファンを獲得していますが、その潮流はE-girlsにも見られます。楽曲的にはブラック・ミュージック寄りのJPOPで、グループとして完成されたパフォーマンスを見せることに重きを置いていて、あまり個人にはスポットを当てない傾向がある。そこが他のアイドルグループとの最も大きな違いかと」
一方、AKB48などのアイドルグループに影響を受けている部分もあるとか。
「E-girlsは、楽曲ごとにパフォーマンスをするメンバーを選抜するなど、AKB48に似たシステムを持っています。メンバーの選抜の際は、厳しい合宿に参加するなどしていることから、AKB48のように“ドキュメント性”や“物語性”を持たせようとしているのは間違いないでしょう」
EXILEの妹分でありながら、アイドル的な要素を入れたことで、E-girlsは独自のポジションを築いているようだ。
「パッとみた感じは普通のアイドルグループに見えますし、活動内容もだいたい同じなのですが、ダンスや歌唱はEXILE仕込みでハイレベル。“未熟さを楽しむ”というアイドルカルチャーの醍醐味は少ないかもしれませんが、クオリティの高いパフォーマンスを求めているファンには面白いグループなのではないでしょうか」
ブームが成熟し、あらゆるタイプのグループが出尽くした感のある昨今のアイドル業界。高いダンススキルを持ち、アーティストとアイドルの中間を行くE-girlsは、新しい女性グループの形なのかもしれない。
12月25日には、E-girlsの中核メンバーからなるFlowerがニューシングル『白雪姫』をリリースする。ファンタジックなMVは、E-girlsとはまた違った魅力を味わえるので、そちらもチェックしてみてほしい。
松下博夫
最終更新:11月27日(水)20時52分
記事提供社からのご案内(外部サイト)
音楽シーンをもっと楽しく! ホンネで音楽を楽しみたいユーザーに向け、単なるリリース配信ではなく、独自の取材や企画に基づいた“ここだけ”の音楽情報をお届けします。 |