ウェブ魚拓というサービスは昔なんだか法律的な見地から議論した気がする。

下記に自分の著作を見つけたので、著作者として削除を依頼してみようと思う。
無印良品の二重反転扇風機がすごい【2013/05/22追記】新発売のSilky Wind Ⅱについて追記

とりあえず、論理武装から入る。

ブログは第一に言語で書かれていることを考えると、「一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物」(著作権法10条1項1号)の言語の著作物に当たる。よってブログは著作権法で言う著作物である。
(著作物の例示)
第十条  この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
一  小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物


次にこのブログの作者である私は著作者に当たると考えられる。
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
・・・
二  著作者 著作物を創作する者をいう。


この著作者は著作物をウェブ上で公衆に対して公開する権利を有している。
(公衆送信権等)
著作権法第二十三条  著作者は、その著作物について、公衆送信(自動公衆送信の場合にあつては、送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。


このような著作権者の権利は保護される。具体的に著作の時から死後50年までである。なお、このブログの著者である私は変名による著作物なので著作物の公表後50年が著作権者の保護期間となる。
(保護期間の原則)
第五十一条  著作権の存続期間は、著作物の創作の時に始まる。
2  著作権は、この節に別段の定めがある場合を除き、著作者の死後(共同著作物にあつては、最終に死亡した著作者の死後。次条第一項において同じ。)五十年を経過するまでの間、存続する。

(無名又は変名の著作物の保護期間)
第五十二条  無名又は変名の著作物の著作権は、その著作物の公表後五十年を経過するまでの間、存続する。ただし、その存続期間の満了前にその著作者の死後五十年を経過していると認められる無名又は変名の著作物の著作権は、その著作者の死後五十年を経過したと認められる時において、消滅したものとする。


問題はどのように保護されるのかということである。
著作権について著作権侵害という概念がある。まずは、これに該当するかを検討してみる。
事実として、ウェブ魚拓は著作物の公衆送信を行っている。著作者の許可を得てないことを考えると。これは著作権法23条の公衆送信権の侵害ということになる。

このため、著作権者はまず第一に侵害の停止または予防を請求できる。
(差止請求権)
第百十二条  著作者、著作権者、出版権者、実演家又は著作隣接権者は、その著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。


この他にさらに、無体財産権の一種と考えられるので、これの侵害については損害賠償請求を起こすことができるであろう。著作権法には損害賠償請求の規定はないので、民法の一般原則より不法行為責任が問われることとなる。
第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。、

不法行為において立証すべき点は以下の6つであると言われている。

故意・過失を立証し、権利侵害(違法性とも言うと言う念仏を授業では聞かされる)があって、損害発生があり、侵害行為と損害発生との間に因果関係があり、相手方に責任能力があって違法性阻却事由がないことを立証する必要がある。面倒なので損害は割愛する。

なお、損害賠償においては損害の額の推定規定が存在している。
(損害の額の推定等)
第百十四条
・・・
2  著作権者、出版権者又は著作隣接権者が故意又は過失によりその著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、当該著作権者、出版権者又は著作隣接権者が受けた損害の額と推定する。



ということから、
①他人の著作権法侵害であることは確実
ということがわかる。

ところでウェブ魚拓のQ&Aには面白いことが書いてある。
引用とは、著作物の利用形態の一つであり、著作権法第三十二条で定義されています。
引用においては、著作権利者の許諾がなくても著作物を利用することができます。
Q&A


ウェブ魚拓は著作権法の引用を行っていると言う主張なのであろうか?著作権法における引用とは第五款 著作権の制限と言う部分に規定されている。第5款に列挙されている事由に該当する場合には著作権の侵害は成立しない。さっそく条文を見てみる。
第五款 著作権の制限
・・・
(引用)
第三十二条  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

公表された著作物は、引用して利用することができる。この点はウェブ魚拓の言う通りである。引用は「公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」と書いてある。報道、批評、研究その他の引用の目的が必要と言うことである。

 問題はウェブ魚拓自体が「報道、批評、研究その他」の目的を有しているかと言うことにある。ウェブ魚拓自体が「報道、批評、研究その他」の目的を行っているとはあちこち見たが、Q&Aにおいてもウェブ魚拓の目的(機能)は
ウェブ魚拓は

・ウェブサイトを簡単に記録して
・ブログなどからリンクを張って利用できる

というサービスです。
Q&A

とある。このため、「報道、批評、研究」の目的を有していないと考えられる。このように考えるとウェブ魚拓の目的はすくなくとも「報道、批評、研究」の目的ではない、つまり、ウェブ魚拓の行う行為は著作権法32条に言うところの引用にはあたらないことがわかる。

問題は報道、批評、研究に続いて用いられているその他である。その他とはおそらく報道、批評、研究が例示列挙であり、その他はこれと同様な内容を指すのであろう。この同様な内容にウェブ魚拓はあたるのであろうか?

つまり、ウェブ魚拓の目的はなにであろうかと言う問題である。ウェブ魚拓の目的がわかれば、その目的が「報道、批評、研究」のどれかと似たようなものであるのかを検討することができる。
そこでこの点について考えてみると、まず、ウェブ魚拓は意図的に魚拓した記事に広告を貼り付けている。
アダルト広告が不愉快です
この件については利用者アンケートを実施した上で、画像広告など表現が激しい物については掲載を行わないことにしました。
Q&A

これを考えると、ウェブ魚拓は営利目的であると推定できるであろう。また、ウェブ魚拓の運営会社は
株式会社アフィリティー
事業内容
インターネット上のサービス開発
会社概要

ということである。株式会社の行う行為は商行為であること、また株式会社は営利の目的の範囲内でのみ行為を行うことができることを考えると、ウェブ魚拓は営利の為に運営されていると考えられるであろう。
(商行為)
第五条  会社(外国会社を含む。次条第一項、第八条及び第九条において同じ。)がその事業としてする行為及びその事業のためにする行為は、商行為とする。


つまり、魚拓サービス自体は単に魚拓を取るのみで「報道、批評、研究その他の引用の目的」がない(著作権法32条の「引用」に該当しない)

ということで著作権法侵害にあたるわけである。ここまで書いて疲れたので削除依頼はやってみる編で分割することにする