福島汚染水:港湾海水浄化の追加対策案

毎日新聞 2013年12月03日 19時22分(最終更新 12月03日 19時52分)

 東京電力福島第1原発に関する政府の汚染水処理対策委員会は3日、1日300トンの汚染水が流入しているとされる港湾内の海水浄化など追加の対策案を明らかにした。対策委は、国内外から集めた汚染水の対処法や想定されるリスクなどを盛り込んだ報告書を年内にもまとめる。

 対策委は、国際廃炉研究開発機構(東京)が国内外から集めた対策技術780件を基に対策をまとめている。この日は、海水に含まれる放射性物質を沈殿、吸着させるなどして港湾内を浄化する▽原発周辺の土壌にあるストロンチウムを捕集する−−など複数の案を新たに示した。

 想定通りに全ての対策が進んだ場合、2020年3月時点で、多核種除去装置「ALPS(アルプス)」で取り除けないトリチウム(三重水素)のみが汚染水に関するリスクとして残るとの推定も示された。

 また、福島第1原発の敷地内の地下水の流れも解析。1〜4号機東側の護岸付近を流れている地下水の量は1日当たり計120トンと推定した。【鳥井真平】

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