2013年12月3日16時43分
9月の台風18号で鉄橋が流され全面運休が続く滋賀県甲賀市の第三セクター、信楽高原鉄道(SKR)について、中嶋武嗣市長は3日の市議会で「支援体制が前進した。復旧にかかる全体事業費の把握を急ぎたい」と述べ、早期の運転再開を目指す考えを明らかにした。中嶋市長は同県から新たな財政支援があることも明らかにした。
市によると、復旧費の大部分が国の補助で賄われる見通しで、鉄橋の復旧についても、全面架け替えではなく、部分改修で済むことが市の調査で判明したという。
台風では、貴生川駅近くの杣川橋梁(そまがわきょうりょう)の橋脚1本と橋げた約30メートルが流失。市は当初、部分改修では少なくとも約3億5千万円、架け替えなら10億円を超えると試算していた。
国の鉄道軌道整備法では災害時の復旧費の負担割合を鉄道事業者50%、国と自治体25%ずつと決めている。上下分離方式の導入で事業者も兼ねる市の負担率は最大75%になるため、中嶋市長は10月、費用が膨らんだ場合の廃線の可能性に言及していた。
今回、市が委託した調査会社の中間報告では、鉄橋は橋脚と橋げたを新たに付け替えることで安全運行が十分可能と判断。市は年内にも土砂が崩落した線路の復旧も含めた事業費全体の見通しをまとめ、予算計上する予定。
また、国の災害復旧事業の対象となり、市負担分の95%は地方交付税で補充される見通しで、この場合、負担額は最大でも数千万円にとどまるという。
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朝日新聞社会部
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