信楽高原鉄道:廃線の危機脱出 14年度運転再開へ

毎日新聞 2013年12月03日 03時00分

台風18号で被害を受けた信楽高原鉄道の鉄橋=滋賀県甲賀市水口町で2013年10月4日午後0時11分
台風18号で被害を受けた信楽高原鉄道の鉄橋=滋賀県甲賀市水口町で2013年10月4日午後0時11分

 9月の台風18号で鉄橋が流されて全面運休が続き、廃線も取りざたされた滋賀県甲賀市の第三セクター・信楽高原鉄道(SKR)について、甲賀市が復旧に向けて動きだしたことが関係者への取材で分かった。鉄橋が部分修復で済み経費が抑えられ、国の補助も受けられる見込みになったためで、市は来年度中の運転再開を目指す。

 貴生川(きぶかわ)駅(甲賀市)近くの杣川(そまがわ)に架かる全長95.69メートルの鉄橋で、橋桁約32メートルと橋脚1本が流出した。この修復費捻出が市にとって大きな課題だった。

 災害復旧費は国と地方自治体がそれぞれ25%、事業者が50%を負担するのが原則。経営難のSKRは4月に「上下分離方式」に移行し、市が線路などの施設を維持管理する事業者になったため、最大75%の負担を求められる可能性があった。このため、中嶋武嗣市長は、復旧費が巨額な場合は廃線を検討することを表明していた。

 調査の結果、鉄橋は、橋脚と橋桁だけを付け替えることで復旧可能と判明。全ての調査は終えていないものの、のり面崩壊など他の25カ所の被害を加えても、復旧費は全体で5億円前後にとどまる見通しとなったという。

 また、復旧費の市負担分の95%が国の鉄道災害復旧事業費補助制度の対象となり、地方交付税で補てんされる見込みになった。国土交通省鉄道局の担当者は「補助申請の手続きはこれからだが、対象事業とする方向で進めている」と話す。滋賀県も復旧費を負担する方針を示し、実質的な市負担は数千万円にとどまる可能性が高まっている。

 来年1月には他の二つの橋の老朽化についても調べた上で、全体の事業費が出せる見通しで、市は市議会に予算を計上する方針。5月までに橋脚の再建を終えられれば、来年度内の全面復旧が見込めるという。関係者は「代行バスでは冬場の路面の凍結が心配。来年冬までに復旧できたら良い」と話している。【村瀬優子】

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