原発事故で生徒集まらず廃校へ11月29日 12時34分
東京電力福島第一原発の事故の影響で生徒の確保が困難だとして、福島県南相馬市にある私立高校が今年度いっぱいでの廃校を決めたことが分かりました。
原発事故を受けて福島県内の学校が廃校になるのは小中学校と高校合わせて初めてです。
廃校を決めたのは、南相馬市原町区にある全日制の私立高校、松栄高校です。
松栄高校は、福島第一原発から30キロ圏内の、一時、緊急時避難準備区域とされた地区にあり、原発事故の発生で当時在籍していた100人余りの生徒たちが系列校に編入したり、県内外の高校に転校したりしました。
このため松栄高校では、去年、平成24年の春からは入学者の募集を見送り、休校の措置をとっています。
高校を運営する学校法人「松韻学園」によりますと、ことし4月1日付けで福島県に対して廃校の申請を行い、認められたということです。
原発事故を受けて福島県内の学校が廃校になるのは公立と私立の小中学校や高校を合わせて初めてです。
廃校の理由について「松韻学園」は、地元の南相馬市や近隣の市町村には、今も避難区域が設けられていて、他校へ編入や転校した生徒たちが高校に戻ることは難しく、学校を運営するために必要な生徒数の確保が困難なためとしています。
学校法人では、原発事故の影響により廃校に追い込まれたとして、東京電力に損害賠償を請求することにしています。
「原発事故さえなければ」
「松韻学園」の佐々木一彦総務部長は「スタッフや学校の運営を維持するのに必要なだけの生徒の入学が原発事故の影響で望めなくなった。生徒やスタッフの健康を第一に考えても、運営は難しいと判断し廃校を決断した。原発事故さえなければと悔しい思いだ」と話しました。
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