Updated: Tokyo  2013/12/03 20:02  |  New York  2013/12/03 06:02  |  London  2013/12/03 11:02
 

12月2日の海外株式・債券・為替・商品市場

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  (ブルームバーグ):欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次の通り。

◎NY外為:円が対ドルで103円台、リスク志向でキャリー調達通貨に

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで下落し、6カ月ぶり安値を付けた。11月に中国や欧州、英国で製造業活動が拡大したことを背景に、リスク資産への需要が強まり、キャリー取引で円を資金調達通貨とする動きが強まった。

円は主要16通貨の大半に対して下げた。日本銀行の黒田東彦総裁は量的・質的金融緩和について、「あくまで2%の物価安定の目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで継続する」と述べた。ポンドはユーロに対し、1月以来の高値。11月の英製造業指数がアナリスト予想を上回る伸びを示したことが手掛かりとなった。

みずほフィナンシャルグループの米為替セールス責任者、ファビアン・エリアソン氏は電話インタビューで、「わたしは過去数週間、ほとんどの主要通貨に対してドル強気だった。円は明確に日本政府が望む方向に動いている」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対して前営業日比0.5%安の1ドル=102円94銭。一時は5月23日以来の安値を付けた。対ユーロでは0.1%安の1ユーロ=139円40銭。ユーロは対ドルで0.4%安の1ユーロ=1.3542ドル。

米商品先物取引委員会(CFTC)によると、対ドルでの円の売り越しが4週連続で増加した。売越幅は11月29日現在で12万3202枚と、2007年7月以来の大幅となった。前週は11万2216枚。

対ドルでのユーロは前週の8911枚の買い越しから、431枚の売り越しに転じた。

キャリー指数

ドイツ銀行のG10・FXキャリー指数は113.7%と、11月25日以来の高水準となった。前月は1.4%低下し、3カ月ぶりに下げた。キャリー取引では低金利国の通貨で資金を調達し、リターンが高い国の資産で運用する。

BNPパリバの通貨ストラテジスト、バシーリ・セレブリアコフ氏(ニューヨーク在勤)は電話インタビューで、「円は引き続き圧力を受けている。リスク取引の調達通貨として選好されている」と語った。

103円74銭を模索か

JPモルガンのテクニカルアナリスト、ナイアル・オコーナー氏(ニューヨーク在勤)は、円が対ドルで101円50-55銭の支持線を割り込んだため、年初来安値の103円74銭を試すとの見方を示した。5月22日に付けた同水準まで下げれば、2008年10月以来の安値となる。

中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日発表した11月の製造業購買担当者指数(PMI)は51.4。ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場関係者26人中24人の予想を上回った。英マークイット・エコノミクスが2日発表した11月のユーロ圏製造業景気指数(改定値)も活動拡大・縮小の分かれ目である50を上回った。

英国の製造業指数は58.4と、2011年2月以来の高水準。ブルームバーグがまとめた予想中央値の56.1を上回った。

ポンドは対ユーロで0.3%高の1ユーロ=82.79ペンス。一時は82.53ペンスと、1月11日以来のポンド高となった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重指数によれば、ポンドは過去6カ月間に7.5%高と上昇率首位。景気回復を受け、イングランド銀行(英中央銀行)が借り入れコストの引き上げに動くとの見方が背景にある。ユーロは4%上昇、ドルはほぼ変わらず。

米供給管理協会(ISM)の発表によると、11月の製造業総合景況指数は57.3と、前月の56.4から上昇した。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55.1だった。  

エコノミスト予想によれば、労働省が6日発表する11月の非農業部門雇用者数は18万人増が予想されている。10月は20万4000人増だった。

原題:Yen Weakens to 6-Month Low on Risk-Linked Selling; PoundRises(抜粋)

◎米国株:下落、引け際に下げ拡大-年末商戦のスタート見極め

米株式相場は下落。S&P500種株価指数は取引終了前の1時間に下げを拡大した。この日発表された11月の製造業景況指数は予想外に上昇。一方で年末商戦での小売り販売のスタート状況を見極めようと、関連リポートが注目された。

衣料小売りのアーバン・アウトフィッターズが安い。米国では感謝祭の週末の消費者支出が2009年以来の減少となった。電子商取引サイト運営のeベイは上昇。感謝祭翌日の「ブラックフライデー」におけるオンラインでの小売売上高が過去最高に達したとの調査会社のリポートが手掛かり。産金で世界2位のニューモント・マイニングは値下がり。金相場の下落に反応した。3Mはモルガン・スタンレーによる投資判断引き下げを嫌気し売られた。

S&P500種 株価指数は前週末比0.3%安の1800.90。ダウ工業株30種平均は77.64ドル(0.5%)下げて16008.77ドル。

ノースコースト・アセット・マネジメントのファンドマネジャー、フランク・インガーラ氏は「感謝祭の後の眠気を覚える日のようだ。興奮するような材料は何も見当たらない」と指摘。「市場参加者は今月中に金融当局から何らかのニュースがあるかどうか様子を見ている可能性が高い。また小売り販売の状況も見極めようとしている」と述べた。

引け間際に大きく下落

米国株は前週末に続き2営業日連続で、取引終了前の1時間に大きく下げた。S&P500種は短縮取引だった前週末の29日には、取引終了間際の20分間に0.5%下げて1803.98を付けた。この日は午後3時24分から53分の間に0.4%下げて1798.73を付けた。

リッジワース・キャピタル・マネジメントのシニア投資ストラテジスト、アラン・ゲイル氏(アトランタ在勤)は「ここ最近は引け際に下げるケースが見られる」とし、「パターンになりつつあるのかもしれない」と続けた。

S&P500種指数は前月、2.8%上昇。年初以降では26%上げており、このままいけば1998年以降で最大の上昇率となる。連邦公開市場委員会(FOMC)は今月17-18日に政策決定会合を開催する。

米供給管理協会(ISM)の発表によると、11月の製造業総合景況指数は57.3と、2011年4月以来の水準に上昇した。前月は56.4。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55.1だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。製造業は米経済全体の約12%を占める。

マークイット・エコノミクスが発表した11月の米製造業購買担当者指数(PMI)確定値は54.7(前月51.8)に上昇した。このほかユーロ圏や中国でも製造業活動が予想を上回るペースで拡大した。

米労働省が6日発表する11月の雇用統計では、雇用者数は18万人増、失業率は7.2%に低下すると見込まれている。

ブラックフライデー

米国では、ブラックフライデーの週末の消費者支出が2009年以来の減少となった。全米小売業協会(NRF)が委託した調査によれば、11月28日の感謝祭から4日間の小売店舗とインターネットを通じた購入は2.9%減の574億ドル(約5兆8800億円)となった。

アーバン・アウトフィッターズは3.5%安の37.66ドル。eベイは1.6%高の51.35ドル。米調査会社コムスコアの発表によれば、ブラックフライデーの米ネット小売売上高は前年比15%増加し、過去最高の12億ドルとなった。

3Mは4.4%安の127.68ドル。ダウ平均で値下がり率トップとなった。ニューモントは4%安の23.83ドル。

原題:U.S. Stocks Extend Drop in Final Hour Amid Retail, FactoryData(抜粋)

◎米国債:3日続落、ISM製造業景況指数が予想外に上昇

2日の米国債市場では10年債が3営業日続落し、過去1カ月で最長の連続安となった。米製造業景況指数が予想外に上昇したことから、米国の景気が改善しており金融当局は近く緩和策を縮小するとの見通しが強まった。

米供給管理協会(ISM)の発表によると、11月の製造業総合景況指数は約2年ぶりの水準に上昇した。労働省が6日に発表する11月の雇用統計は雇用者数の増加が見込まれている。米連邦公開市場委員会(FOMC)会合は今月17-18日に開かれる。月間850億ドルの債券購入策の縮小時期を決定する可能性がある。

CRTキャピタル・グループ(コネティカット州スタンフォード)の政府債ストラテジスト、イアン・リンジェン氏は「ISM統計が主役の一日だった。細部もすべて強さを示す内容で、雇用統計発表を前に明るい前兆だ」と述べ、「今から年末にかけての国債相場はレンジ取引となるだろう。良好な雇用統計が発表されれば若干の売りが出る可能性は否めない。その場合、利回りは2.90%をつける可能性もある」と続けた。  

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前営業日比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.8%。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は14/32下げて99 19/32。3日続落は11月1日以来で最長となる。 

年末時点の利回り予想

ブルームバーグがまとめたエコノミスト65人の予想中央値によると、米10年債利回りは年末時点で2.75%。ブルームバーグ米国債指数は年初から2.3%低下した。

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッジファンドなど大口投機家による5年債先物の持ち高は11月26日終了週に売り越しから買い越しに反転した。CFTCによれば、シカゴ商品取引所(CBOT)でのロング(買い持ち)はショート(売り持ち)を1万8207枚上回った。前週は5万5118枚のネットショートだった。

2年債は5万3090枚のネットロングで、8月以来の大幅な買い越しとなった。

ブルームバーグのデータによれば、10年債利回りの相対力指数(RSI、期間14日)は60と、11月29日の56から上昇した。RSIは30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示唆するといわれる。  

ISM製造業総合景況指数

ISMによると、11月の製造業総合景況指数は57.3と、2011年4月以来の水準に上昇した。前月は56.4。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の中央値は55.1だった。同指数で50は活動の拡大と縮小の境目を示す。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフ債券ストラテジスト、ガイ・リーバス氏は「指数発表後から米国債は若干、売られている。10年債利回りは年末まで3%を下回る水準が続くだろう」と述べた。

ブルームバーグがまとめた予想によると、11月の米雇用統計では18万1000人の雇用者増が見込まれている。前月は20万4000人増加した。

米商務省が11月20日発表した10月の小売売上高は、季節調整済みで前月比0.4%増加した。また、米商務省が26日に発表した10月の住宅着工許可件数(季節調整済み、年率換算)は5年ぶり高水準となった。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラリー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「経済統計の内容は予想を上回っている」と述べ、「これが持続性あるものかどうか、今週の統計で分かる。投資家は米金融当局による緩和策の縮小が予想以上に早く実施されるとの見方を強めている」と指摘した。

原題:Treasuries Drop for Third Day Amid UnexpectedManufacturing Jump(抜粋)

◎NY金:下落、7月以来の安値-好調な経済統計で米緩和縮小を警戒

ニューヨーク金先物相場は下落。7月以来の安値となった。米経済が強さを増している兆しを背景に、金融当局は緩和策のペースを減速する構えだとの観測が強まった。11月の米ISM製造業総合景況指数は約2年ぶりの水準に上昇した。

ヘレウス・プレシャス・メタルズ・マネジメント(ニューヨーク)のバイスプレジデント、デービッド・リー氏は電話インタビューで、「当局にとって、緩和のアクセルを緩め始められる根拠がますます増えている」と指摘。「製造業活動の数字は世界的な回復基調が確かであることを示している」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物2月限は前週末比2.3%安の1オンス=1221.90ドルで終了。10月1日以来の大幅下落となった。一時は2.5%安の1218.80ドルと、7月8日以来の安値をつけた。

原題:Gold Futures Drop to Lowest Since July on Fed TaperingConcern(抜粋)

◎NY原油:上昇、予想上回る製造業活動指数を好感

ニューヨーク原油先物相場は上昇。世界最大の石油消費国である米国と2位の中国で、製造業活動の予想以上の好調が示されたことから、需要拡大への期待が広がった。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「好調な製造業統計が原油価格を押し上げている」と指摘。「米中や英国などで成長が見られた。この先のエネルギー需要、特に輸送燃料の需要にはプラスだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の電子取引で原油先物2014年1月限は前営業日比1.10ドル(1.19%)高の1バレル=93.82ドルで終了した。

原題:WTI Crude Rises as U.S. Manufacturing Index UnexpectedlyGains(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数が下落-スペイン製造業が予想外に縮小

2日の欧州株式 相場は下落。スペイン製造業の生産活動が11月に予想に反して縮小したことが嫌気された。指標のストックス欧州600指数は前月までは、月間ベースで3カ月続伸していた。

ドイツの鉄鋼会社、ティッセンクルップ は2011年8月以来の大幅安。時価総額の最大10%に相当する増資計画が売り材料。英百貨店運営のデベナムズは3.9%下落。同銘柄の投資判断をバークレイズが引き下げた。一方、フランスの化粧品メーカー、ロレアルは1.7%上昇。自社株購入計画が好感された。

ストックス欧州600指数 は前週末比0.3%安の324.10で終了。11月は0.9%上昇。世界の主要な中央銀行が低金利政策を継続していることを背景に、年初から11月末までに16%上げている。

PFAアセット・マネジメント(コペンハーゲン)のシニアストラテジスト、ウィトルド・バーク氏は電話インタビューで、「スペイン製造業景気指数で、力強いドイツと周辺国の間にまだ大きな開きがあることを思い知らされた」とし、「来年の成長見通しがかなり楽観的であることをあらためて思い起こさせるものだ」と語った。

2日の西欧市場では、18カ国中15カ国で主要株価指数が下落。英FTSE100指数は0.8%、仏CAC40指数は0.2%それぞれ下げた。独DAX指数はほぼ変わらず。

原題:European Stocks Drop as Spanish Manufacturing UnexpectedlyFalls(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債下落、製造業統計で安全資産需要後退-英国債続落

2日の欧州債市場ではユーロ圏の中核国の国債が安い。11月の域内製造業の生産活動が5カ月連続で拡大し、比較的安全とされるこれらの国債を求める動きが後退した。

ドイツ10年債利回り はここ3週間で最も上昇。米供給管理協会(ISM)が発表した11月の製造業総合景況指数は2011年4月以来の高水準に達した。フランスとオランダ、オーストリアの国債も値下がり。スペインでは11月の製造業生産活動がエコノミスト予想に反して縮小し、国債相場が下落。投資家の同国資産への信頼感が低下したとみられる。

一方、ポルトガル2年債は上昇。同国政府は向こう2年の償還を先延ばしするための債務交換を実施すると発表した。ギリシャ国債も値上がり。同国の格付けは先週、ムーディーズ・インベスターズ・サービスが引き上げた。

KBCバンクの債券ストラテジスト、マティアス・ファンデルユフト氏(ブリュッセル在勤)は「スペインは違ったが、欧州の製造業景気指数は予想を上回り、これがドイツ国債への重しとなっている」とし、「この日の経済データは、欧州中央銀行(ECB)が追加利下げする可能性を抑えるものだ」と語った。

ロンドン時間午後4時47分現在、ドイツ10年債利回りは前週末比5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し1.74%。これは先月8日以来の大幅上昇。同国債(表面利率2%、2023年8月償還)価格は0.42下げ102.30。

英マークイット・エコノミクスが発表した11月のユーロ圏製造業景気指数 (改定値)は51.6と、前月の51.3から上昇した。速報値の51.5から上方修正された。ISMによると、11月の米製造業総合景況指数は57.3と、前月の56.4から上昇。両指数はいずれも活動拡大・縮小の分かれ目である50を上回った。

ポルトガル2年債利回りは6bp下げ3.34%。ギリシャ10年債 利回りは4bp低下し8.74%。先月28日には8.89%と、10月14日以来の高水準となっていた。

英国債相場は続落。10年債利回りは前週末比7bp上昇の2.84%。先月21日には2.87%と、9月24日以来の高水準に達した。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.605下げ94.98。

原題:German Bunds Lead Decline in Europe Bonds as ManufacturingGrows(抜粋)Pound Strengthens as Manufacturing Beats Forecast; Gilts Slide(抜粋)

更新日時: 2013/12/03 07:53 JST

 
 
 
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