米副大統領:日本に到着 中国防空識別圏で3日首相と会談

毎日新聞 2013年12月02日 23時31分(最終更新 12月02日 23時49分)

 【ワシントン白戸圭一】バイデン米副大統領は2日夜、日中韓3カ国歴訪の最初の訪問国である日本に到着した。出発直前の11月23日に中国が東シナ海上空に防空識別圏を設定したことで、米中関係が緊張する中での歴訪となった。副大統領は中国指導部に設定の意図をただし、自制を求める一方、日本とは足並みをそろえて中国による一方的な現状変更を認めない姿勢を打ち出したい考えだ。

 副大統領は3日に皇太子ご夫妻と面会後、安倍晋三首相との会談に臨む。中国の防空識別圏設定や北朝鮮の核問題について意見交換し、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の早期妥結に向けた協議を加速する方針を確認する。ホワイトハウスは出発に合わせ発表した声明で「米国と日本の同盟の強さを再確認する」と述べており、日中間の緊張が高まる中、米国による日本防衛の義務を再確認するとみられる。

 米国務省は先月29日、米航空各社が飛行計画書を中国当局に提出することを容認する立場を表明。提出に応じない日本との間で対応の違いが表面化する中、日米が足並みをそろえて中国に強いメッセージを送ることができるかが問われる。

 副大統領は4日に北京入りし、習近平国家主席ら中国最高指導部との会談で、防空識別圏設定について米側の懸念を明示する一方、米中が対話を深化させる必要性を伝え、日本との対話による問題解決を促すとみられる。

 5日からの韓国訪問では、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会談するほか、南北軍事境界線沿いの非武装地帯(DMZ)を訪れ、米韓同盟の結束を示す。

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