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【芸能・社会】「明治座アカデミー」第1期のホープ 林祐太朗 卒業生公演「瞼の母」で主演2013年12月3日 紙面から
将来の時代劇を担うスターが生まれるかもしれない。俳優養成機関「明治座アカデミー」の卒業生による公演「瞼の母」が14、15日に東京・日本橋浜町の明治座で上演される。主演は、第1期のホープ、林祐太朗(28)。初主演のプレッシャーを感じながらも「自分なりの番場の忠太郎を表現したい」と意欲を燃やしている。アルバイトしながらの俳優業だが、「いつか明治座で座長公演」というでっかい夢に向かって舞台に立つ。 アカデミーは、これまで16期約1000人の卒業生を輩出。うち234人が関連のプロダクション「明治座アートクリエイト」に所属している。卒業生の公演は、東京都内の小中規模の劇場で上演してきた。昨年、アートクリエイツ10周年と明治座創業140周年を記念して、初めて明治座の舞台で公演したのが好評だったことから、今回も明治座での上演が決まった。 「ゆくゆくは明治座に観客を呼べる俳優を育てたい」。そんな劇場側の思惑もあって、今回は大劇場での公演を恒例化させる試金石ともなる。「瞼の母」は、明治座で1931(昭和6)年に守田勘弥の主演で初演された長谷川伸の名作だ。 ゆかりの作品に抜てきされた林は、中学時代、たまたまテレビで「仮面ライダー」を見て、「役の気持ちを表現する役者という仕事」に興味を持ち、高校で演劇に熱中。大学進学後、1年半、「アカデミー」で俳優修業を積んだ。2005年に里見浩太朗公演「花かんざし」でプロデビュー。以後、明治座以外にも名古屋・中日劇場、福岡・博多座などで脇役として経験を重ねてきた。 今年10月のコロッケの明治座公演では、若き日の武蔵を演じ、アカデミー卒業生で初めてスッポン(花道のセリ)から登場、スポットライトを浴びた。初めて母親から「あなたの努力の成果がみえました」とメールをもらい、自分でも手応えをつかんだという。 昭和の匂いを感じさせる甘いマスク、若さに似合わず落ち着いた立ち居振る舞いや、よく通る声など舞台で活躍する時代劇スターの資質を持ち、周囲の期待は大きい。「所作のきれいさ、一つのセリフにたくさんの思惑がこめられ、心の葛藤が言葉で出てくる」と時代劇にぞっこんの林。今回は、「主演ということを意識せず、気負わず自然体で。テクニックに頼らず、忠太郎の気持ちを表現したい」。好きな俳優は、「瞼の母」で名演を残した萬屋錦之介、将来の夢は「明治座の座長公演」と明言した。 10月1日には、アカデミーの後輩の女優飯田碧(31)と結婚。現在、東京都内のコーヒーショップでバイトを続けているが、やがて明治座の看板に名前が大書される日を夢見て、大役に挑む。 (本庄雅之) ◆主役になれる逸材山田五十鈴さんの舞台を数多く手掛け、「瞼の母」を演出する北村文典さんの話 林君は、非常に真面目な好青年。主役が一生懸命やれば、周りも努力するようになり、一致団結する。彼は、姿、声、目と近ごろ珍しく主役になれる要素を持っている。本来の時代劇の面白み、醍醐味(だいごみ)は日本人の心、琴線に触れるものだと思うので、そういうところをしょっていってほしい。 ◆林祐太朗(はやし・ゆうたろう) 1985(昭和60)年6月12日生まれ。埼玉県越谷市出身。東海大学付属浦安高校卒、東海大学文学部北欧学科卒。2003年の明治座アカデミー第1期卒。05年明治座「花かんざし」で初舞台。「水戸黄門」「三丁目の夕日」などのほか石川さゆり、氷川きよし公演などにも出演。08年フジテレビ系ドラマ「千の風になって」出演。特技は殺陣、現代アクション、趣味は日舞、乗馬。177センチ、70キロ。 PR情報
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