又吉　包丁さばきもまたよし　ゴーヤーチャンプルー

　中日選手の食生活やここ一番での勝負メニューに迫る企画「竜戦士のチカラめし」。番外編の今回は、ドラフト２位で指名された又吉克樹投手（２３）＝四国ＩＬ香川＝だ。１日、高松市で行われた同球団主催のイベント「かどや製油のごま油で又吉選手と一緒に沖縄料理を作ろう」に、お邪魔しました。

　調理が始まると、野球選手から料理人に変身した。又吉は大学時代、一人暮らしで自炊していただけあって、包丁さばきはお手のもの。参加した子どもたちにテキパキと指示を出し、料理を作ると同時に洗い物もする。驚くほど器用で、手際がいい。

　「料理は（大学時代）４年間やっていたので趣味みたいなもの。気分転換になるし、自炊だと野菜をたくさん食べられますからね」

　約４０分で作った沖縄料理を並べてみると…。

　＜１＞ごま風味のゴーヤーチャンプルー

　＜２＞ゴーヤーと海藻のさっぱりあえ

　＜３＞具だくさんのみそ汁

　この中でこだわりがあるのは、ごま風味のゴーヤーチャンプルー。沖縄育ちの又吉のチカラめしだ。

　「夏は毎日のようにゴーヤーチャンプルーでした。高校時代の弁当もほとんどそう。冷めてもおいしいし、疲労回復にもいい。利尿作用もあって、体温を下げるので、暑い時にピッタリです」

　もちろん夏だけではない。冬でも疲れた時に食べれば食欲が増し、元気も出てくるという。

　でも、記者は残念ながらゴーヤーは苦くてあまり好みではない。嫌いな人もいるのでは？　そんな質問には「お湯でゆでた後に塩水に入れるといいですよ。そしたら苦味が消えます」とあっさり回答。それに加えて隠し味があるという。

　「ごま油です。この香りで、より食べやすくなるし、ごまの存在感があって、ちょっと違った味になるんです」

　実際に食べてみると、確かにごまの風味が香ばしいし、ほどよい苦味。ゴマをするわけじゃないけれど、これならおいしく食べられる。実はこの１時間前に香川名物の大盛りぶっかけうどんを平らげていた記者も、苦手なゴーヤーが入った３品プラス、ご飯をペロリ。

　料理の先生の冨岡陽子さんは「又吉選手は料理人として８０点以上。子どもたちに油の量を量らせたり、包丁の使い方を教えたり、気づかいは１００点ですね」と大絶賛。

　又吉の料理は手際よし、味よし、疲労回復によし。「俺、野球選手なのにこんな話ばかりでいいんですか？　早く嫁さんもらって、料理作ってもらいたいんだけどなあ…」。そんな又吉のボヤキとともにイベントは幕を閉じました。　（森合正範）

　もちろん又吉は料理ではなく、本業の野球に精を出している。現在は四国ＩＬ香川の練習に参加して、走り込みでスタミナ強化中。「（中日の）秋のキャンプは厳しかったと聞いてます。プロの練習についていけるように。走り込みと、できる限りの投げ込みをして１月を迎えたい」と気合を入れた。