【個別銘柄】紙パや積水化急伸、任天堂安い、ライドオン上場
12月3日(ブルームバーグ):きょうの日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は以下の通り。
パルプ・紙株:日本製紙 (3863)が前日比5.7%高の1972円、王子ホールディングス (3861)が2.5%高の495円。パルプ・紙指数は東証1部33業種の上昇率1位だった。クレディ・スイス証券は、日本紙の目標株価を1600円から2100円に上げた。洋紙・段ボール原紙の値上げ効果を新たに織り込み、同証による業績予想を増額。王子HDも500円から570円へ上げ、両社の投資判断は「アウトパフォーム」を継続した。
積水化学工業 (4204):7.5%高の1298円。電気自動車などに搭載するリチウムイオン電池の新材料を開発した、と3日付の日本経済新聞朝刊が報道。従来に比べ走行距離は3倍、コストは6割削減することを目指し、2014年夏にも国内外の電池メーカーなどに新材料をサンプル出荷、15年量産開始予定としている。
帝人 (3401):4%高の236円。シティグループ証券は、投資判断を「売り」から「中立」へ引き上げた。最重要収益ドライバーの1つのアラミド繊維が回復の見込みと指摘。14年3月期の営業利益予想を170億円から190億円(会社計画200億円)、来期を170億円から250億円に増額した。
任天堂 (7974):2.4%安の1万2820円。ソニー(6758)と米マイクロソフトが発売した新型ゲーム機は、発売初日に販売台数100万台を突破した。ライバル機の好調のあおりで、任天堂の今期の収益予想達成はさらに困難になる可能性がある、とブルームバーグ・ニュースが3日に報じた。昨年11月に発売された任天堂の「Wii(ウィー)U」の販売目標である900万台を達成するには、上期(4-9月)の20倍近くを下期に販売する必要がある。
キーエンス (6861):1.8%高の4万1450円。みずほ証券は、投資判断を「中立」から「買い」に上げた。海外の成長加速に加え、国内FA分野の回復を享受し、14年3月期、来期とも強い営業増益が続く確度が高まったと見る。今期の営業利益予想を1160億円から1300億円に上方修正、目標株価は3万円から4万8000円に引き上げた。
ピジョン (7956):1.2%高の5010円。14年1月期の営業利益予想を従来の90億円から102億円に増額修正した。増益率は44%まで拡大する。中国を中心とした海外事業の拡大、為替相場が想定よりも円安となったことなどが寄与する。期末配当予想は今回変更しなかったものの、通期業績の確定時点で見直しを行う方針も明らかにした。
資生堂 (4911):2.9%高の1790円。CLSAアジア・パシフィック・マーケッツは、投資判断を「アンダーパフォーム」から「買い」へ上げた。販売戦略のシフトは消費者志向を強化させ、経費抑制の取り組みにも役立つと分析。14年3月期の純利益予想を194億円に20%上方修正(会社計画150億円)、来期も302億円に1.7%増額した。目標株価は1600円から2335円に見直し。
ダイセル (4202):1.9%安の796円。SMBC日興証券は、投資判断を「アウトパフォーム」から「中立」に下げた。15年3月期は原材料メタノール価格高騰やLCD用TAC数量減を背景に、業績拡大ペースは鈍化すると予想。同証による15年3月期の営業利益予想を430億円から405億円に、16年3月期を465億円から435億円に減額した。
飯田グループホールディングス (3291):5.6%安の1895円。シティグループ証券は、きのう午前に会社側が開示した代表取締役会長の飯田一男氏の逝去について、日本最大の住宅供給棟数を誇るグループを一代で築き上げ、上場6社の経営統合をとりまとめたカリスマを失った影響は決して小さくないだろうと指摘した。
三菱ガス化学 (4182):4.7%高の833円。三菱UFJモルガン・スタンレー証券では、目標株価を960円から1200円に上げた。来期以降のメタノール前提を375ドルから430ドルに増額、来期純利益は過去最高益更新を予想。株価はメタノール価格上昇の収益効果を十分に織り込んでいないと指摘した。投資判断は「アウトパフォーム」継続。
綜合臨床ホールディングス (2399):2.9%安の597円。8-10月の営業利益は前年同期比44%減の2億円程度となったもよう、と3日付の日経新聞朝刊が報道。製薬会社が新薬の開発案件を減らした影響で、病院などの医療機関が実施する治験の支援事業が振るわなかったという。
プラザクリエイト (7502):4.4%高の663円。写真関連商材の製造・販売を行う子会社Qlix(クリックス)が12月から、米olloclip社製のiPhone(アイフォーン)専用レンズの販売を開始したと2日に発表。11年11月に発売した商品に高倍率マクロを加えたもので、今後の業績寄与が見込まれた。
ユーグレナ (2931):9%高の1550円。微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)が中国で、同国国内で食習慣のないものや新技術による食品原料販売に必要な「新食品原料」の登録を取得した、と3日午前に発表。今後の業容拡大、認知度向上につながるとみられた。
ライドオン・エクスプレス (6082):東証マザーズにきょう新規株式公開(IPO)し、公募価格の2000円に対し、55%高の3105円で初値を付けた。寿司「銀のさら」や釜飯「釜寅」など、調理済み食材中心の宅配事業を直営とフランチャイズで展開している。14年3月期の業績計画は、売上高で前期比2.8%増の166億円、営業利益で68%増の9億1200万円。終値は2800円。
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更新日時: 2013/12/03 15:29 JST