地方外国人女性初の「先達」に 韓国の崔象喜さん 香川2013.12.3 02:06

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外国人女性初の「先達」に 韓国の崔象喜さん 香川

2013.12.3 02:06

 ■「人と人との交流を深めたい」

 四国八十八ケ所霊場会(四国霊場会、香川県善通寺市)公認の「先達(せんだつ)」に、韓国・ソウル市在住の崔象喜(チェ・サンヒ)さん(38)が3日、海外の外国人女性として初めて認証される。先達とは、初心者に作法などを教え導く役目。お遍路での人との出会いに感動した崔さんは「もっと人と人との交流を深める活動をしたい」と意欲をみせている。

 崔さんは平成22年3月、インターネットなどで四国遍路を知り、18年に亡くなった父親の供養のためお遍路に挑戦。困ったときに地元の人が親切にしてくれる「お接待」に感動した。交流を通じて日本語はみるみる上達し、いつしか春のお遍路は恒例となっていた。

 「高齢の男性から『一緒にお遍路を回ってほしい』と白衣(びゃくえ)を託され、すごくうれしかった」、「子供たちが声をかけてくれ、がんばろうという気持ちになった」と、5月に4周目を達成したお遍路の思い出は尽きない。帰国後も連絡を取り合う友人が次第に増え、今年6月に訪れたスペインでは、お遍路の話題で地元の人やドイツ人と盛り上がったことも。お遍路を通じて深まる縁を感じる。

 そんな崔さんは「私も少しでもお接待がしたい」と、お遍路の缶バッジを感謝の気持ちとして配ったり、遍路道を示すステッカーを作成したりしている。

 四国霊場会によると、公認先達になるには、お遍路を4周以上するとともに霊場88カ所のうち1カ所からの推薦が必要で、11月現在で約9千人がいる。3日の研修会では新たに約400人が加わり、心得を記した「先達教典」、朱色の金剛錫杖などが贈られる。

 「韓国でお遍路に興味を持つ人をしっかり案内したい」と意気込む崔さん。日韓両国間の関係は問題を抱え、冷え込んでいるが、「お遍路で本当に日本人、日本のことが好きになれる。人と人とは仲良くしていくことはできるはず。これからもお遍路のために活動したい」と力強く語った。

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