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弦振動の基本波成分を強く出力するピックアップを備えた |
| 従来の電磁的ピックアップでは、弦振動の基本波成分を強く出力することができないので、 力強い音を出すためにプレーヤーは、 @ ギターそのものを買い換える A アンプを買い換える B 弦を買い換える C ピックを買い換える D ピックアップを Seymour Duncan とか DIMARZIO とか EMG などの専門メーカーのものに交換する E 奏法で、弦を押さえつけるようにピッキングするか、弦を引っ掛き上げるようにピッキングする など試行錯誤して来ました。 ここで、前記 @〜E のようなことをすることなく、力強い音を出せる方法を考えてみます。 |
| ▲ 磁束量(磁力線の本数)は磁場の透磁率に比例するので、 fig.1 弦がポールピースから遠いと、 磁場の透磁率=小 → 磁束量(磁力線の本数)が少ない。 fig.2 弦がポールピースに近づくと、 磁場の透磁率=中 → 磁束量(磁力線の本数)が増える。 fig.3 弦がポールピースにさらに近づくと、磁場の透磁率=大 → 磁束量(磁力線の本数)がさらに増える。 コイルを貫通する磁束量(磁力線の本数)が変化すると、 コイルの出力端子に、磁束量の変化分(微分値)に比例した電圧(元は電流)が出力されます。 ■ 巷によくある説で“弦が磁力線を切ると磁界の乱れが生じて発電”は正確ではありません。 弦が磁力線を切っても磁場の透磁率の変化(磁力線の本数の変化)が無ければ発電しません。 傾きの無い均一な磁場内で弦が振動すると磁力線は切りますが、磁場の透磁率は変化せず、結果発電しません。 ブレードタイプのピックアップの中央付近で、弦が完全に水平振動すると起こる現象です。 ■ 電磁気学用語・電磁気学単位・電磁気学基礎は 〔トップページ〕→〔臨床工学士〕→〔note〕→電磁気学の項の〔磁気力と磁界〕をご覧ください。 もう一つ『わかりやすい高校物理の部屋』もどうぞ。 |
| ▲ 磁場の中を弦が上下に振動すると、 弦の変移: 中央 → 上端 → 中央 → 下端 磁 束 量: \ 最小 / 最大 のように、弦の変移と磁束量は反比例します。 結果、ピックアップ出力電圧は、位相はずれますが 弦振動波形と相似な電圧波形 となります。 |
| ▲ 磁場の中を弦が水平に振動すると、 弦の変移: 中央 → 右端 → 中央 → 左端 磁 束 量: 最大 \ 最小 / 最大 \ 最小 のように、弦の変移と磁束量は比例しません! なんと、基本波が出力されません! これが、腰が抜けた薄っぺらいぺシャンぺシャンな音の原因です。 ■ この現象は、弦の振動方向に磁場が対称であることに起因しています。 ■ 正確には基本波を拾わないのではなく、弦振動波形を2逓倍した波形になります。 これは、磁気回路の非線形(第一象限と第四象限の対称性)に因って起こることです。 基本波のみならず奇数倍高調波が抜けてしまいます。 奇数倍音は音色に木管楽器系の潤いを与えることが経験則として知られています。 科学的検証は 管楽器吹鳴の非線形現象とその解釈をめぐって.pdf (九州工大 高橋氏 及び 立命館大 池田氏 著)の 34ページ下段に“奇数倍音が優勢な楽器は、音色が良い”と述べられています。 ■ 今まで思っていたことと違うじゃ〜ん! 電磁気学を勉強して、40有余年もエレキギターを弾いてきたのに、 こんなことになっているなんて、思いもよりませんでした。 弦振動がそのままアンプのスピーカーで鳴っていると信じ込んでいました。 |
| ▲ 磁場の中を弦が傾斜振動した場合は、 垂直振動成分と水平振動成分に分解して考えることができます。 できるだけ垂直成分を多くした方が、芯のある音になります。 ■ 弦の振動面は時間経過に伴って変化しますが、アタック音色を決定するのは初期振動面です。 従来の定説では「楕円軌道がゆっくりと回転する歳差運動」とされて来ましたが、 最新の研究では「互いに直交する2つの振動系の連成振動によるリサージュ曲線」ということが発見されました。 電気通信大学→情報通信工学科→高澤研究室の研究業績。 ■ YouTube の 練習曲1 雨の思い出 (Memory in the rain) の奏法を分析すると、 @ 音が最も細くなってしまう第一弦では、 速いフレーズでもないのに掬い上げるようなアップピッキング(掬い撥奏法)を多用しています。 弦振動の垂直成分が多くなる奏法です。 音色の違いに疎いプレーヤーは、このフレーズを普通のアップピッキングで弾いています。 A モズライト特有のサウンドを出したいフレーズでは、水平(ピックアップと平行)ピッキングをして、 クリーンサウンドのフレーズでは、45度にもなるほどの傾斜ピッキングをしています。 プレーヤー(The Lonely Band さん)は、モズライトのツボを完璧に掴んでいます。 ■ YouTube の It's Been A Blue Day では、全弦でアップピッキング(掬い撥奏法)によりメローサウンドを出しています。 ■ 三味線の撥さばきは、まさしく弦の垂直振動を意図した奏法です。 YouTube の Tsugarujonkarabusi By Mr.Michiyoshi (大音量注意)をご覧ください。 胴に平行でなく表皮に叩きつけるような撥さばきです。 ■ 優れたミュージッシャンは、当然のことながら物理学とか電磁気学的アプローチではなく、 研ぎ澄まされた感性で楽器のホットスポットというかGスポットを探り当て、 そこを攻めて楽器のテンションを上げ、吐息から喚き声・喘ぎ声・叫び声など何でも出させてしまいます。 高校時代、軽音部の備品のオンボロギターをすばらしい音色で弾く部員がいました。 |
| ▲ fig.9 弦の振動方向に対称な磁場のピックアップの場合、 普通にピッキングすると基本波が抜けてしまいます。 fig.10 弦の振動方向に非対称な磁場のピックアップの場合、 普通にピッキングしても基本波成分が出力されます。 ■ このような非対称な磁場のピックアップを実現するには、 手段 @ ・・・・・・・・・ ( Under construction ) 手段 A ・・・・・・・・・ ( Under construction ) 手段 B ・・・・・・・・・ ( Under construction ) のようにすれば可能となります。 ■ 2012年7月7日に、このアイデアはこのサイトで一般公開されてしまったので、 非対称磁場ピックアップは周知の技術になってしまいました。 |
Epiphone WildKat Royale が人柱になります |
| ■ 実際の音出しは写真のアンプではなく Fender Deluxe Reverb で行いました。 |
| ▲ Epiphone WildKat Royale は、それなりに良い音で鳴ってくれますが、 この改造をすると、別物の未体験な音を出すギターに変身しました。 傾斜ピッキングをしなくても、普通のピッキングで @ 芯がしっかりした音になりました(特に高音域で顕著) A ボディサイズが一回り大きくなったよう(フルアコみたい)な感じの音になりました B 低音域は、1オクターブ下がったような感じの音になりました C アタックが力強くなりました ■“非対称磁場ピックアップ”というと難しく聞こえますが、 弦の中心とポールピースの中心とをずらしてピックアップを取り付ければ、これをいとも簡単に実現できます。 ■ これを“ピックアップのセンターずれ”と言うらしく、ほとんどのサイトが設計不良とか組立て不良と解説していますが、 そもそも、ポールピースの中心上を弦が通らなければならないと、誰が何を根拠に決めたんでしょうか? デザイン的には良いかもしれませんが、発電原理からしたら不合理です。 非対称磁場ピックアップの理屈を納得していただければ、適正なずれは何ら問題ありません。 但し、ネック捩れなどによるセンターずれは論外です。 ■ このような手段による音質改善は、トーンコントロールによる音質調整とは全く異なるものです。 |
| ▲ 前回の改造では、ピックアップを左側へずらしましたが、 今度は右側へずらす再改造をしてみました。 この方が 第一弦に与える効果が大きい ようです。 ボロ隠しのためにフェルトシートを貼りました。 |
| ▲ 低音弦の基本波を強くだすためのセッティング。 ボディをザグってピックアップを左側へずらしてます。 ギターは Grass Roots G-A-68改。 ネック側ピックアップを Seymour Duncan SLSD-1n に換装しました。音の格が違います。 この状態でプレイしています。 |
| ▲ 高音弦の基本波を強く出すためのセッティング。 ボディをザグってピックアップを右側へずらしてます。 この状態では、高音弦の基本波が出過ぎます。 ずらし具合を簡単に調節できる手段は無いものでしょうか・・・・・。 |
| ▲ Washburn RX10 を改造しました。 ストラトタイプのシングルコイルでの効果を検証する目的で購入しました。 イシバシ楽器決算セール特価 \9,800(送料込)の格安ギターです。 ○ 12フレットにおいて、ネックの厚みが 19ミリ と極薄です。 ○ 24フレットにおいて、第一弦の弦高さ 2.8ミリ、第六弦の弦高さ 3.0ミリです。後で少しだけ低くしました。 ○ フレット高さが揃っていて全フレットビビリがありません。 ○ フレット端の引っかかりがありません。 ○ ペグは滑らかに回転します。 ○ 適度な重さで長時間プレイでも疲れません。バランスが良いのでヘッド落ちしません。 △ オクターブ調整は、ややシャープになっていたので、調整しました。 (ハーモニックスではなく、弦を押さえた状態で調整) △ トレモロは、スプリングで引っ張りすぎでブリッジがボディに密着していたので、スプリングを弱めました。 × シングルコイルピックアップの、第二弦と第三弦との音量差が大き過ぎます。 クリーンサウンドでのプレイでは致命傷。下図参照。 格安ながら YAMAHA Pacifica と比較して遜色無い仕上がりです。 抱き上げると何の抵抗もせずに懐へしっぽり納まり、 プレーヤーに従順で、力まず気負いなく弾ける不思議な魅力を持ったギターです。 ■ ネック側ピックアップを、ボディをザグって右側へずらしました。 改造前は、ペンペン・チンチンとまるでブリキ製ドブロみたいな音でしたが、 改造後は、芯がしっかりした別物ギターに生まれ変わりました。 ウッドボディ鳴りの感じが出ます。 シングルコイル特有のピュアで豊富な倍音もしっかり出ます。 アタックが力強くなりました。 ■ ピッキングの反応感度が上がったような感じがします。 ・ 強く弾けば強い音で、弱く弾けば弱い音で、(ダイナミックレンジが拡がりました) ・ ピックの材質を変えれば変えたように、 (音色変化が拡がりました) ・ ピッキングの角度を変えれば変えたように、( 〃 ) ・ ピッキングの位置を変えれば変えたように、( 〃 ) ・ ミスればミスったように、 プレーヤの意思がギターに伝わるようになり、弾いたとおりに鳴るようになりました。感情移入演奏できます。 ■ この改造と下図の改造で、四本柱の中の一本のギターになりました。 一本目:P90 ピックアップのギター 二本目:ハムバッキングピックアップのギター 三本目:シングルコイルピックアップのギター 四本目:ピエゾピックアップのナイロン弦エレアコ これらの四本でほとんどのジャンルをカバーできます。 |
| ▲ ストラトタイプのシングルコイルピックアップに問題があります。 第二弦と第三弦のポールピースの高さに差がありすぎて、出力差が 6dB(2倍) もあります。 クリーンサウンドで弾く場合は、この音量差は致命傷で、使い物になりません。 ネック側ピックアップの第三弦と第四弦のポールピースの先端をヤスリで削って、音量バランスを整えました。 ポールピースを切削する際には、削り粉がマグネットとかコイルに付着しないように、充分にマスキングをします。 その時、コイルに巻き付けてある黒色テープを剥がさないように気を付けます。コイルの細い銅線を切断しないように。 テスターと精密ハンダコテを持っていない方は、止めましょう。 ■ 中央ピックアップはオリジナルのままのスタッガードポールピースです。 ポールピースの高さは、水平もしくはフレットのRに合わせてくれれば良いものを、とんでもない高低差が付いています。 弦の進化に対応していないン十年前の古い設計です。 今時、第三弦に巻線弦を張るかな〜・・・。それに、このギターでズージャは弾かないし・・・。 ■ ポールピースを叩き込んだ猛者もいます。 やってはいけないことをやってみる・・・ポールピースの高さ調整 ピックアップの断線修理もあります。 やってみたらできちゃった・・・ピックアップの断線修理 ポールピースを叩き込んだ猛者。 これってやっちゃダメなの? リューターにヤスリビットをつけて、ががーっと削ったプレーヤー。 ポールピース削ってみた(^^;;; ■ 3万円超のピックアップを壊してしまった お Blues Box U Telebase 改善E |
| ▲ 写真上は、イシバシ楽器の 12_3122106001.jpg のピックアップ拡大図です。 写真下は、Washburn 本家 http://www.washburn.com/products/electrics/rx/rx10.php の Washburn RX10MB_BS_1.jpg のピックアップ拡大図です。 どちらも、フラットポールピースのピックアップですが、 送られてきたギターは、スタッガードポールピースのピックアップでした・・・・・・・。 |
| ▲ ネット上でピックアップの仕組みについて、事実を正しく表していないサイトが散見されます。 バイブルとも言える 『楽器解体全書』 http://www.yamaha.co.jp/plus/electric_guitar/?ln=ja&cn=11203&pg=2 にて、 “弦の振動の回数だけ”と書かれていますが、これは誤りです。 事実は、弦の振動の2倍回数になります。 かような誤情報を流すとは、かって 川○源○氏 の “世界の音楽文化に多大な影響を及ぼしているリーディングカンパニーゆえに、業界の規範たる義務と責任を持つ” というポリシーはどうしたんでしょうか・・・。 上の図と説明文を信用してデッドコピーしたサイトが幾つかあります。 でも、このサイトを悪くは言えません。 このアイデアの発端は、この一枚の図からだったのですから。 ■ エレキギターについての解説はイシバシ楽器さんの http://www.ishibashi.co.jp/academic/ Music Academic のサイトの Electric Guitar & Bass / Super Manual に詳細に書かれています。 とても参考になります。 ■ その他、偉い先生方が音色にまで言及して難解に解説したサイトも在りますが、 楽器の音造りは理論よりも耳 です。 |
| ■ 音質改善に研究熱心なプレーヤーのサイトを紹介します。(再掲を含みます) ・ ギターレッスンと演奏の日々 :YouTube 動画、弦の縦振動を模型を使って解説 ・ クラシックギター縦振動の弾きかた :YouTube 動画 ・ 練習曲1 雨の思い出 :YouTube 動画、モズライトのツボを完璧に掴んだプレーヤー ・ It's Been A Blue Day :YouTube 動画、全弦で掬い撥奏法によるメローサウンド ・ Jiraud ベースの 縦振動タッチ :YouTube 動画、縦振動の音と横振動の音とを比較 ・ Jiraud社の Q&A コーナー :ベースのライトタッチ(直角奏法)の解説 ・ Blues Box U Telebase 改善E :ポールピースの高さ調整(クランプ使用) ・ Blues Box U 68TLB ポールピース調整 :ポールピースの高さ調整(万力使用) ・ PU ピンポイント出力 UP法 応用編@ :ポールピースの高さ調整(スライス磁石貼付け) 上の三件は、精力的音楽活動をされている F-nie さんのサイトです。 “イメージでの話ですが、ローズ指板のネックの場合、 フレットで受けた弦の振動が一旦ローズ指板に滲み込んだ後に ネック本体に伝わって、着地点の低い出音となる感じがします” と言われているように、優れた感性を持ったプレーヤーです。 音が見えるみたいです。 同じように、ピアノの匠職人はピアノ響版の振動が見えるそうです。 ・ やってはいけないことをやってみる :ポールピースの高さ調整(トンカチ使用) ・ やってみたらできちゃった :ピックアップの断線修理 ・ これってやっちゃダメなの? :ポールピースを叩き込んで揃える ・ ポールピース削ってみた(^^;;; :リューターにヤスリビットをつけて、ががーっと削った ■ プレーヤーの立場にしてみると、楽器メーカーによるハード面の技術開発が進み、 猫ちゃんが引っ掻いても素晴らしい音色で鳴るような楽器が普及するのは望みません。 猫ちゃんが弾けばペンペン・チンチンとした音で鳴り、 研究熱心な上級プレーヤーが弾けば力強く鳴るというように、 プレーヤーの技量に応じた音色で鳴ってくれる楽器が良いでしょう。 プレーヤーの創意・工夫・研究・鍛錬という、ソフト面での創造的活動が阻まれてしまいます。 “高校時代、軽音部の備品のオンボロギターを素晴らしい音色で弾く部員がいました”というシーンが 見れなくなってしまいます。 “上級プレーヤーが編み出した技を盗む”ということも無くなってしまいます。 すぐに真似されてしまう小技は秘密にしますが、 技を会得するのに何年もかかる大技は盗まれてもかまいません。簡単には真似できないから。 大技・小技・裏技・反則技・寝技など、いろいろ試して遊びましょう。 “資源は有限、創意は無限”です。 ■ ということでこのアイデアは、 このサイトをご覧になった 研究熱心なプレーヤーだけが、音質改善のヒントとしてお役立てください。 |
| KeyWord :エレキギターの音質改善、エレキギターの音色改善、エレキギターの音色改良、エレキギターの音質向上、 PU、PickUp、シングルコイル、ハムバッキング、ハンバッキング、ハンバッカー、構造、ピックアップ交換、 電磁誘導、磁石、磁界、磁場、磁力線、磁束、透磁率、磁性体、起電力、出力電圧、電気振動、非対称磁気ピックアップ 振動力学、FFT、フーリエ級数、スペクトル解析、等価回路、基本周波数、高調波成分、倍音成分、節、腹、λ/2、 縦振動奏法、横振動、アルアイレ奏法、アヤポンド奏法、撥弦楽器、図解、評判、使用感、非対称磁界ピックアップ |